地獄兄弟は今日も平和

「仮面ライダーカブト」自己満足スピンオフ(笑)! 矢車・影山の地獄兄弟二次小説

「電王」第5話

お前、僕に釣られてみる?

ウラタロス、最高!!
今のハヤリを考慮してか、「メガネキャラ」ですよ(^^)

「お前の体は俺のものだ」というなかなかスゴイ台詞もありましたね、予告で。

だいたい2週間でひとつのエピソードという感じでしょうか。
あのイマジンに取り付かれた少年・・・パッと見た時、「あ、少年!」と思っちゃいました(笑)。
なんとなく『響鬼』の明日夢くんに見えてしまった。
彼がこんなに小さいわけないですね。もうだいぶ成長したんだろうなぁ・・・。
以前、徳山さんの出たライブに出演してたみたいだけど。

今回、やけにオープニング前の前回のストーリー紹介が長いなぁと思ってたら・・・。なるほど。電王のキメシーンが今回の話では取れなかったからですな。
さすがにまだ始まって少ししか経ってないから、毎回決め技は入れないとイカンという大人の事情でしょう(笑)。

ところで、その後『マイメロ』見たんですが。
うわっ、ヤバイ・・・。
頭の中でどんどん「ウサミミ仮面」が矢車さんに重なってきます(^^ゞ

「笑いたい奴は前へ出ろ」って・・・。

『マイメロ』もそろそろ終わりなのかなぁ。寂しい。

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花粉症

相棒が、最近くしゃみばかりしている。
やっと少し暖かくなってきたというのに、今頃風邪か。

「違うよ兄貴。俺、花粉症なんだ」
相棒は鼻をすすりながら言う。
「袖口で鼻を拭くなよ」
子供じゃあるまいし、いや子供だって今どき袖で鼻をぬぐう奴はいないと思うが、一応注意しておく。

「うん。このコートじゃよく拭けなかったから、やめた」
・・・既に試した後だったらしい。

いつも外にいる俺たちには、花粉を避ける術もない。
先ほどからくしゃみが止まない相棒を見て、俺はため息をついた。

仕方がない、マスクでも買ってやるか。

近くのコンビニで、口元がすっぽり隠れるほどの大きさのマスクを買い、俺はそれを相棒にやった。
店員があからさまに不審者を見るような目つきで、俺たちを見ている。
金は払っただろう。

店内でマスクを付けた相棒が、
「まるでヤク中か、コンビニ強盗みたいだね♪」
などと爆弾発言をする。

その格好で、シャレにならない冗談はやめろ。
相変わらず場の空気が読めない奴だ。

相棒の言葉が耳に入ったらしい店員が、びくっとして、そろそろと電話に手を伸ばしたのを俺は見逃さなかった。

「さっさと行くぞ」
面倒な事になる前に立ち去ろう。

ようやく春が感じられるようになったが・・・。
俺たち地獄の住人に、世間の風はまだまだ冷たい。

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11.新たな道

想が瞬を駆け抜けて
 11.新たな道


その日のうちに矢車はZECTに退職願を出し、なんの話し合いも持たないまま、その届けは受理された。
あまりにも早すぎる、上層部の回答だ。

しかし、矢車はもうZECTに未練はなかった。
明日からまた仕事を探さなければ、とぼんやりと考える。
随分と長い間ZECTに身を置いてきた。ZECT以外の生活などなかったといっていい。
(これからどうするか・・・)

その時、ふいに携帯が鳴った。
表示された着信番号に心当たりはない。
不審に思いながらも、矢車は携帯に出た。
「・・・矢車くんか。私だが」
短い言葉だったが、その独特のしゃべり方には覚えがある。
「加賀美・・・さん!?」
驚きのあまり、少し掠れた声で矢車は問い返す。
まさか、ZECTのトップから自分の携帯に連絡があるなど。しかも自分は既にZECTから正式に除隊したところだ。

考えがまとまらないまま、矢車はただ陸の言うことに耳を傾けていた。

ZECTには内密で話がある、と陸は言う。
組織の中でも公にはできないことで、ぜひ君の力を借りたい、と。

まるで追い出されるように組織を出た自分に、陸の頼みを聞く義理はない。
ZECTとの関係を絶ち切りたいという気持ちはあったが、ふんぎりがつかないのも事実だった。
「・・・少し考えさせてください」
「いい返事を期待しているよ。私の直通に連絡をしてくれればいい」
陸が言う携帯番号を、矢車は素早くメモする。

おそらく今は警視庁の電話から掛けているのだろう。
教えてもらった携帯番号は、ZECTには周知されていないプライベートなものに違いない。
(さぁ、どうするか)
電話が切れた後、矢車は先ほどと同じ言葉を頭の中で呟いてみる。
その口元には無意識にわずかな笑みが浮かんでいた。

→NEXT

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へたれきゃら

最近ヘタレなキャラがトレンディなのかもしれない。
今度のライダーは、俺以上にヘタレじゃないか。しかも弱いし。

こう見えても俺は、運動神経はなかなかだと思うし、体も丈夫だ。
今度こそ、ライダー史上に名を残すヘタレライダーの汚名を挽回できるかもしれない。

さっそく兄貴にそれを伝えたら、「無理だ」とあっさり否定されてしまった。

なんでさ、兄貴!

「確かに今度のライダーは弱いが、あくまで変身前だ。変身後も弱いお前とは違う」
兄貴はなにげにキツイことをサラリと言う。
変身後も弱い・・・って。
「だって、それはザビーのスペックの問題で・・・」

「ザビーを悪く言うのは、俺が許さん」
・・・目がすわってるよ、兄貴。

そうだった。
兄貴はザビーの時、夕陽をバックにカブトと戦ったあのカッコイイ一戦が忘れられないんだよね。
あの頃はまだザビーの扱い、よかったんだよなぁ。

「お前は、今のままでいいんだ。俺は路上のカリスマ、お前はヘタレのカリスマでいい」
そんなありがたくない称号もらっても・・・。
なんか、兄貴は別のキャラとかぶってるし。

とにかく俺も体を鍛よう。めざせ、脱ヘタレ!
いつかは兄貴みたいに、路上生活者のカリスマ・・・じゃなかった、路上のカリスマになるために。

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「電王」第4話

ここ数日、別サイトの更新にかかりきりで、こっちをサボってました(--ゞ
ゴメンナサイ・・・。

さて「電王」。
今日も最初から最後までクライマックスだぜ!!

良太郎が、弱くてもしっかり正義を貫いてるところに感動しましたよ。
やっぱりヒーローは、こうでなきゃ(^^)
「『ごめんなさい』は?」
が、可愛かったv
世のお父さん、お母さん。お子様の教育にも良い平成ライダーの登場です。

「どうせ、俺なんか・・・」
「お前はいいよなぁ・・・」


と、ネガティブに染まってしまったお子様を「電王」で軌道修正してあげてください(笑)。

良太郎、七変化・・・じゃなくて、五変化?
来週は「キューティー★良太郎」ですか。
楽しみですv

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10.裏切り

我々シャドウの完全調和に、もう、あんたは必要ない

むしろ、不協和音なんだよ



想が瞬を駆け抜けて
 10.裏切り


向かってくるザビーゼクターが影山の手に収まった時、矢車はようやく影山の真意を理解した。
加賀美の命を軽んじ、自分をも騙した影山のあまりの変わりように矢車は愕然とする。

影山は傲然と胸にあるザビーの紋章を見せつけた。
(そうか・・・。お前も、堕ちてしまったんだな)
かわいい後輩だと思っていた影山に裏切られたショックは大きい。けれど、最初に部下たちを裏切ったのは他ならぬ自分だ。

ワームを一掃し新生シャドウを率いていく影山に、矢車は隊に復帰させて欲しいと訴えた。
プライドも何もかもを、かなぐり捨てて。
今のままでは、影山は間違いなく自分と同じ破滅の道を辿る。
影山の道を正してやれるのは自分以外にいない、と矢車は思っていた。

しかし、影山の口から出たのは、完璧な拒絶だった。

「完全調和、か。いい言葉だよね。これからは、パーフェクト・ハーモニー第二章さ」
「影山、お前は本当に・・・」
(本当に、あの影山なのか・・・?)
もしやワームに擬態されているのではないか。そう考えてしまうほど、影山の瞳は冷たかった。
自分の時の比ではない。
影山はザビーゼクターと波長が合ったのだろう。ザビーの紋章は、すでに影山自身を支配している。

加賀美はザビーという「魔」を逃れた。
だが、まさか影山が次の資格者に選ばれるなど、矢車は思いも寄らなかった。
三島も何も語らなかった。
すべては、自分は蚊帳の外だ。それどころか、ワームの内通者という疑いまでかけられていたのだから。

去っていく影山たちを、矢車はただ見送ることしかできない。
ひどい虚無感だけが残った。
(俺は、今までZECTで何をやってたんだろうな・・・)
今までの自分が、足元から崩れ落ちていく。
エリートの肩書きは虚飾に過ぎなかったことを思い知らされた。

もう、ZECTに戻ることはない。
矢車は、きっちりと締めていたネクタイを緩め、投げ捨てた。
(待っていてやるよ、影山)
矢車は笑った。
(お前が地獄に堕ちてくるのを・・・)
それは、限りなく自虐的な笑みだった。

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9.再会

想が瞬を駆け抜けて
 9.再会


シャドウ解散後、元シャドウ隊員が次々ワームに襲撃される事件が起こった。
彼らの所在を的確につかんでいることから、内部にスパイがいるという見方が優勢だった。
三島からの指令を受け、影山も内密にスパイをあぶり出す計画を立てた。既にこの時点で、影山は以前の影山ではなくなっていたのだろう。

思わぬ人との再会にも、影山は心を揺らすことはなかった。

元シャドウ隊長であり、上司であった矢車。
矢車にとって、影山や他のシャドウ隊員たちに会うことは自らの傷口をえぐるようなものだ。
しばらく表立って動くことはなかったが、部下たちを救いたいという思いが矢車を動かしていた。

「元気だったか、影山」
影山はどういう反応を示すのか。自分を非難するか、拒絶するか。
どちらも覚悟の上だった。

しかし影山は何事もなかったように笑みを返す。
「矢車さん!お久しぶりです」
よくその眼を見れば、奥に潜む影山の意図に気付いたかもしれない。
だが矢車は、影山の笑顔の「仮面」を信じきってしまった。

(こいつも、スパイの可能性がある)
あまりにも冷静過ぎる推測を、影山は頭の中で組み立てた。
ザビーの座を追われ失脚した矢車なら、元シャドウ隊員を狙う動機は充分にある。

「矢車さん、大変なことになってるんです。シャドウのみんなが・・・」
従順な部下を演じながら、影山は探りを入れる。
「ああ、分かってる」
己を律するように矢車は頷いた。
部下たちの命を守るのが、今自分にできる唯一の罪滅ぼしだ。
「・・・影山、また一緒にパーフェクト・ハーモニーを奏でよう」
「はい!」

ザビーの力を手にしていた影山に、矢車の言葉は滑稽だった。
自分はもう、矢車など必要としない。
(あんたは、もう終わりだ)
顔には出さず、影山は心の中で冷笑を浮かべる。
それはまさに、ザビーの魔に魅入られた証だった。

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バレンタイン

「兄貴、今日なんの日か知ってる?」
相棒が妙な猫なで声で聞いてくる。
「バレンタインだろ・・・」
コンビニやスーパーにもバレンタインコーナーなんてものが作られていれば、嫌でも目に留まる。
しかし所詮、俺たち地獄の住人には関係ないことだ。

「うん、チョコをもらう日だよね」
相棒はさらに妙な声で言った。
だから、なんだと言うんだ。

この俺を差し置いて女からチョコをもらったとかいう話なら、蹴りの一、二発で勘弁してやろう。
チョコレートは高カロリーだ。
それがあれば、一食分くらいは浮くだろう。

「あ、俺は誰からももらってないからねっ」
相棒が必死に否定する。
チョコを今日の夕食にする計画は流れたか・・・。

「でさ、好きな男の子にチョコあげる日、なわけだよね」
回りくどい奴だ。
一体、何が言いたいのか。

上目使いで俺を見る相棒に、俺は見当をつけた。

言っておくが、俺はお前からチョコを受け取るつもりはない。
欧米では男も女も関係なくプレゼントを贈る日だそうだが、あいにくここは日本だ。
いくら兄弟とはいえ、男からチョコをもらっても嬉しくはない。

「だからさっ、兄貴は俺にチョコくれないの?」

満面の笑みで問う相棒に、俺は通常の3〜4倍増しであろう必殺のライダーキックを見舞ってやった。

バレンタインなど・・・。
やはり、俺たちには関係のないことだ。

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8.誘い

想が瞬を駆け抜けて
 8.誘い

加賀美がカブト抹殺を拒んだことで、ザビーはまたも資格者を失った。
次の資格者が見つかるまで、ザビーは保留状態。そしてシャドウは、隊長不在のため、解散を余儀なくされた。
ほんの一ヶ月余りの間に、影山を取り巻く状況は大きく変わってしまった。

結局、矢車がシャドウに復帰することはなかった。
謹慎中にシャドウそのものが解散となり、ZECTに所属しているはずではあったが、影山と顔を合わせずじまいだ。

矢車が去り、加賀美が去り・・・。
影山はシャドウという自分の居場所を失ってしまった。
なぜ上に立つ者は、下につく者の事を考えてくれないのだろう。
(みんな、自分勝手だ)
田所率いるチームに配属されても、影山の気持ちは晴れない。
むしろ加賀美がいる田所班に回されるなど、屈辱以外の何者でもなかった。
注意されてもわざとネクタイをしなかったり、と影山の行動は次第にすさんでいった。

そんな中でZECTの幹部、三島から呼び出しが掛かった時、影山はてっきり解雇を言い渡されるのだと思った。
三島の名前と顔は知っていたが、対面で話すのは初めてだった。
きっちりスーツを着こなした若き幹部の姿に、影山はネクタイぐらい締めてくればよかった、と後悔する。
だが三島はそんなことなど気にも留めず、本題を切り出した。

「ザビーになる気はないか?」
「・・・え?」
とっさに影山は何を言われたのか、理解できなかった。
沈黙の後、おそるおそる聞き返す。
「俺が・・・ザビーに、ですか?」
「そうだ。もちろん、シャドウ隊長も兼ねてもらうことになるが」
にべもなく三島が告げる。
シャドウ復活を示唆されて、影山の心臓は跳ねた。
だが、なぜ自分が、という疑問も湧いてくる。
矢車が目をかけてくれるまで、どちらかというと影山はシャドウでは目立たない存在だった。出世欲もそれほど持ち合わせてはいない。

「君の戦闘能力も調べさせてもらったが、及第点だ」
「ありがとう・・・ございます」
いまだ不安げに返事をする。
「それに、君が上に立てば、誰も君を見捨てたりはできないだろう?」
弾かれたように顔を上げる影山に、三島はすべてを見抜いていると言いたげな笑みを浮かべた。
その言葉は、ジョーカーだった。
(誰も、俺を見捨てない・・・?)
もともと、そういうトラウマもあったのかもしれない。
しかし矢車の件以来、影山は見捨てられるということに特に臆病になっていた。

(自分が上に立つ立場になれば)
影山は心を決めた。
(もう俺は、置いていかれることは、ないんだ)

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7.兆し

想が瞬を駆け抜けて
 7.兆し


カブト抹殺を果たせず、挙句に大勢の部下たちを損失してしまったゆえに、矢車はシャドウ隊長の任を解かれ謹慎処分を言い渡された。
胸にあったザビーの紋章は跡形もなく消えている。
ザビーの資格者として完全に見限られた、ということだろう。

ザビーゼクターは新しい資格者として、加賀美を選んだ。
己の道を外れた、と指摘したカブトの言葉を矢車は反芻する。
(俺が罰を受けるのは、当然の報いだ・・・)
だが、このままでは加賀美もまたザビーの魔に取り込まれるのではないか、と矢車は危惧していた。
謹慎中の身でありながら三島のもとに向かったのは、そのことを確かめたかったからだ。

人が使っている部屋だとは思えないくらいの、殺風景なオフィス。
「・・・では、加賀美が犠牲になっても構わない、ということですか?」
窓際に立ち、いつもの"食事"であるサプリを口にする三島に、矢車はやや挑むような眼を向けた。
そんな矢車に三島は振り向くこともなく、告げる。
「それは彼次第だろう。『ザビー』に耐えられるかどうかは、資格者の精神の力量によるからな」
暗に自分への皮肉が込められているのを感じ、矢車は唇をかんだ。
ザビーに負けたのは、明らかに自分の心の弱さだ。
「男を取り込み、その男を駄目にして、最後には見捨てる、か。・・・まるで女だな。ザビーゼクターは」
ふ、と三島が口の端で笑った。


 *  *  *


あの時以来、影山は矢車と話す機会がなかった。
ZECT本部へ戻る際にも、矢車は影山と目を合わそうとしなかった。むしろ、意識的に避けているように見える。
裏切られた、という思いが、追い払っても追い払っても影山の心に重くのしかかる。
せめて矢車の口から真実が聞ければ、あるいは謝罪の言葉がひとつでもあれば、こんな暗い気持ちなど吹き飛んでしまうのに。

ここ一週間、矢車は謹慎処分を受け、姿を見せない。
復帰しても、もう矢車はシャドウ隊長ではなく、以前と同じ小隊長として籍を置くことになる。
現在シャドウの隊長に納まっているのは、見習いの加賀美だ。
(ちくしょう! なんで、あんなやつが)
後輩である加賀美が自分の上司となったことに、影山はいらつきを感じた。
加賀美では、矢車のような洗練された隊の統率など望めそうにない。

(矢車さんがザビーにならなきゃ、こんなことにはならなかったのに)
負の感情がすべて矢車に向かっていく。
上司としてよりも、実の兄のような親しみを影山は矢車に抱いていた。
だが矢車にとって、自分は見捨てることも厭わない存在だったのだろうか。
『お前を見てると、俺の弟を思い出すよ』
よくそう言って、矢車は影山の頭をぽんぽんと叩いたものだ。
その矢車の笑顔が、自分たちを見捨てたあの時とフラッシュバックする。

どんどん自分の中の疑惑と憎悪が膨らんでいくようだった。
(ちくしょう・・・!!)
やりきれない感情に、影山は思い切り壁を拳で叩いた。
わずかに血がにじんだが、痛みは感じない。
心の方が、なにより悲鳴をあげていたから。

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「電王」第3話

『電王』笑えるー!! これはすごい!
ハマるってことはないと思うけど、楽しく観ましたv
キメ台詞がビシバシで、面白くって。
決めポーズも、これでもかってくらいカッコ付けだし(^^ゞ

「俺、参上」

さすが、関さん! って感じです。
関さんで印象深いのは、私は『シュラト』かなぁ。
『ドラクエ』のCDの勇者アレフも好きだし、『緑野原迷宮』の弘樹とか。
スミマセン。最近アニメ見てないんで、なんかすごく昔で、ある意味マイナー(汗)な作品しか思い浮かびませんが(--ゞ

「お前の願いを叶えてやろう」って、イマジンはクロミちゃんですか(笑)。BY.マイメロ

素の良太郎が、擬態天道に似てるなーと思ったのは私だけじゃないですね、きっと。
話し方なんか、彷彿とさせます。
弱い主人公ってのも、去年とガラリと変わってまたいい感じですv

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せいきょういく

「アイなんて、もう古いんだよね。やっぱ、今はアイなしでAだよね」
「そうそう。ま、Bやってもいいんじゃない?」

俺たちに聞こえているのを気にも留めず、女子高生ふたりがはしゃぎながら話してる。
そんな彼女たちを横目で見て、兄貴は眉をひそめた。

「今どきの女どもは・・・。往来で大声でする話じゃないだろう」
兄貴は意外と頭が固い。
ってか、なんか父親みたいだ。

「そっかなー」
適当に相槌を打ちながら、俺は兄貴に聞いてみた。
「・・・兄貴は、どうだったの? やっぱ、アイから?」
「ああ」
「アイかぁ。俺、アイはいらない。速攻、Aでいいよ」
「Bはどうだ?」
ぼそりと問う兄貴に、俺はちょっと考える。
「まだ、Bはちょっと勇気がいるよね」
てへっ、と俺は照れ笑いをした。

「まぁ、なんにしても今の俺たちには関係ない」
バサッと長いコートの裾を翻して、兄貴はいつもの俺たちのねぐらに向かう。
「待ってよ、兄貴!」
俺も遅れないように慌ててその後を追った。
「AもBも夢の話だよね。俺たち、根無し草だもん」

そう。
ISDNも、ADSLも、Bフ○ッツも。
パソコンどころか家さえない俺たちに、ネットが引けるはずもない。
Bなんて贅沢言わない。
Aでいいから、インターネット、やりたいなぁ・・・。

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6.堕ちる・・・

俺はカブトを倒さねばならない

そうでなければ、俺が俺でなくなってしまう



想が瞬を駆け抜けて
 6.堕ちる・・・


夕陽を背にカブトと対決した時、矢車は戦いに夢中で加賀美の危険に意識が及ばなかった。
天道が加賀美を救ったが、それさえも気付かなかった。
矢車の精神は、少しづつしかし確実に蝕まれていた。

「お前、部下を見殺しにするつもりか」
ワームに苦戦するシャドウに目をやり、カブトが問うてくる。
指揮系統を失い、ワームに追い込まれるシャドウたち。
隊長!、と自分の名を呼ぶ部下たちの声が耳に届く。
聞こえてはいたが、ザビーとなった矢車の心には響かなかった。
構わず、ザビーはカブトに向かっていく。

そんなカブトとザビーの光景を、影山は信じられないように見つめた。
いつもどんな時でも隊長は自分たちの命を守ってくれたのに、今の矢車は隊員のことなどまったく見ていない。
(矢車さん、どうして・・・!?)
しかし疑問を投げかける暇もなく、こちらにもワームは襲い掛かってくる。
「くそっ!」
もはや完全調和は崩れた。
自分の身は自分で守らなければならない。

『助けてください、矢車さん!』
影山の声が聞こえたような気がして、矢車ははっと動きを止めた。
(影山・・・?)
だがそれも一瞬で、思考はすぐに目の前のライダーを抹殺することに切り替わる。
必殺の一撃を繰り出そうとした時、カブトが静かに言った。
「お前は自らの道を外れた」

自分の腕から飛び去っていくザビーゼクターに、矢車は驚愕しながら手を伸ばす。
「戻れ、ザビーゼクター! 戻れ   !!」
しかし、変身を解除した矢車を容赦なくワームが襲った。
地に叩き付けられ、体に激痛が走る。
矢車は口の端の血を拭うと、痛む身を起こした。

頭の中が真っ白になっていた。
至るところで、傷付き倒れている部下たちの姿が視界に映る。
なぜザビーゼクターが自分の元を去ったのかと考えるより、なぜ自分はこんな行動をとったのだろうという当惑を強く感じた。

すぐ近くでうつぶせに倒れた部下の一人を仰向かせ、その鼻先に自分の手を当てる。
   息を、していない。
(俺は・・・部下を見捨ててしまった)
矢車は泣き出したいような気持ちだった。
激しい自責と後悔が痛いほど心を締め付ける。
大事なものを失ってしまった、と矢車は思った。
もう取り返しはつかない。
ザビーゼクターより遙かに大切なものを、矢車はこの時確かに失ってしまったのだ。

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同情するなら

相棒がよく俺のマネをするのは、昔からだ。
今始まったことじゃない。

だが相棒は、何を真似て何を真似るべきじゃないかの区別がついていない。
先日、俺のちょっとした台詞がツボにはまったらしい相棒は、その台詞を誰彼構わず使うようになった。
悪気はないのは分かっている。
あいつのことだ。単にウケ狙いだろう。

今もまた、相棒がランドセルを背負った小学生相手にその台詞を言っているのを見てしまった。

「同情するなら金をくれ!」

相棒・・・。
年若いそいつらに、そんな大昔の流行語は理解できまい。
お前が言うと、立派な「カツアゲ」だということに気付いているか?
時の流れとは、残酷なほど早い。
その台詞を流行らせた子役も、もう結婚して一児の母だ。

いや、そんなことより、問題は相棒で。

俺はさらにギャグを飛ばそうとする相棒を、哀れな小学生たちの前から撤収した。
連中は変わったものでも見るような目で、俺たちを見ている。
ついに子供にまでバカにされたか。

どうせ、俺なんて・・・。

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電王未見・・・

いまだ「電王」を見ていないワタシ・・・。
いや、でも評判から察するに、ノリのよいすべり出しで本来のターゲットであるお子様の心を「グワシッ」とまことちゃんばりにガッチリとつかんだようで(笑)。

見てはいないけど、仮面ライダーファン及び石ノ森ファンのワタシとしましては、「電王」がんばってほしいです♪

さて、連載小説「想が瞬を駆け抜けて」は長編です。当分続きます(^^ゞ
間にちょこちょこ、「兄弟のつぶやき」を入れていくつもりですが。
なんせ「想が〜」はシリアスなので、たまにはギャグが書きたくなる(笑)。

話に出てきた日下部さんは、天道と血縁関係ある人という設定で。
殺されてしまった日下部の父の弟とか、考えてたんですが・・・矢車さんと影山に焦点を絞りたかったので、あえて細かい描写は避けました。
もっと掘り下げて書いたほうがよかったかな。

ザビーの設定なんかは完璧捏造ですね。
あちこちで言われているように、ザビーは「悪女」のイメージがあって・・・。「ザビーを手にした者は、破滅する」みたいなことを書きたかったのでした。
あ、ザビーの資格者で唯一破滅しなかった人、っていうのは、カガーミンのことですよ(^^)

やっぱり・・・というか、カブト関連の話題減りましたね。
悲しいっす(泣)。

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5.完全調和

戦闘において最も大切なこと

それは、『パーフェクト・ハーモニー』

   "完全調和"だ



想が瞬を駆け抜けて
 5.完全調和


シャドウの隊長となった矢車が提唱したのが、「完全調和」だった。
スタンドプレイをしない、常に全体として行動する、といった規律を盛り込んだそれは、いかにもエリートの矢車が好みそうなことだ、と皆がなんとなく納得していた。

完全調和の精神は、個性を殺してしまう。
それでも、犠牲を最小限に抑えて戦うにはこの戦法が一番であることを矢車は知っていた。
自分ひとりで戦うのではない。
隊長として隊員たちの命を預かる立場にある自分は、いかに彼らの命を守れるか、それが最重要課題なのだ。

カブトとの対決で影山が負傷した時、『ザビー』はカブトとの決着をつけることを矢車に命じていた。
ザビーの紋章が、矢車を苛む。
しかし矢車は影山の手当てを優先させた。

幸い影山の怪我は軽く、数日で退院できるとの医者の言葉に矢車は安堵した。
ベットにしばりつけられている影山に何か欲しいものがあるか問うと、「矢車さんの麻婆豆腐が食べたい」と元気な返事が返ってくる。
「お前はいつでも、食い気だな」
矢車は笑った。
「矢車さん、絶対カブトを倒しましょうね! 俺、今度こそ迷惑かけないようにがんばります」
まっすぐな眼差しで影山がそう告げた。
迷いのない眼だ。

矢車はうなずく。
「それでこそ、影山だ」
だが、矢車は心のどこかでカブトとの対決の日が来なければいいと願っていた。
この次は、ザビーの命令に逆らえないかもしれない。
ザビーの紋章は矢車の心も体も支配し、カブトを排除するというZECTの指令だけに執着してしまいそうになる。
それによって、部下が犠牲になることもあるのではないか。

(お前たちの命は俺が守る。守ってみせる・・・!)
強い信頼を寄せてくる影山を見ながら、矢車は唇を引き結んだ。
部下たちを裏切るようなことだけは、絶対にしたくなかった。

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4.紋章

想が瞬を駆け抜けて
 4.紋章


日下部の死によって、大方の予想通り矢車がザビーの資格者となり、シャドウの本隊長に昇格した。
ザビーブレスを手にした時から、矢車の体は不調を訴えていた。
胸の辺りがムカムカしたり、妙に気持ちが落ち着かなかったり。
やがて、それは自分の胸に浮き出たザビーの紋章のせいだと気が付いた。
蜂の形を模したその紋は、まるで焼印を押されたように肌に張り付いている。
ザビーの紋章は、ZECTの傀儡である証だった。
ZECTへの疑惑や反感を抱くと、紋章はズキズキと痛み、そんな事を考えるな、と脳に指令を送るのだ。
(ていのいい操り人形だ・・・)
矢車は自嘲した。

せっかくの昇進だというのに元気のない矢車を影山は不思議に思っていた。
日下部の件からずっと、この上司は沈んだ顔をしている。
「矢車さん、カブトのこと聞きました?」
ことさら明るい声で影山は切り出す。
「カブトに変身した奴って、ZECTの人間じゃないんですよね。ビックリですよ! どうして、ベルト持ってたんでしょうね」
「・・・さぁな」
影山の話にも、矢車は心ここにあらずという感じだ。
いつものように穏やかな優しい笑みを見せてはくれない。
(どうしたのかなぁ、矢車さん・・・)
表情から何かを感じ取れないかと、影山は矢車の顔をじっと見つめる。
その視線に気付いたのか、矢車がひょいと顔をあげた。

「影山、お前はZECTをどう思ってる?」
「・・・は、え!?」
いきなり問われて、影山はドギマギとした。
「ぜ、ZECTは人類をワームから救うためになくてはならない存在です。俺はその一員になれたこと、誇りに思ってます!」
いささか気合が入りすぎのような気もしたが、上司に返すには妥当な返答だろう。
矢車の意図が分からない影山は、そう自分を納得させた。

ZECTに入る者は誰もが、影山と同じような志を持って入隊する。
だがZECT内部に長くいると、組織の負の部分も見えてくる。
影山はまだ、その負の部分に気付いていない。
そんな初々しさが今の矢車にはうらやましく感じられた。

「カブトがZECTに入らないのなら抹殺するようにと、ZECTは『ザビー』に命じた」
矢車は淡々と言葉を続ける。
そこに感情は込められていない。
「お前がザビーなら、どうする?」
「ZECTの指令に従います」
迷うことなく影山は答えた。
疑いを持たない、ZECTへのまっすぐな忠誠心。
ザビーの資格者に求められる最大の条件が、それだ。

ザビーを拒絶することができないなら、受け入れるしか、ない。
ザビーに自分をゆだねてしまえば、苦しむ必要はなくなる。
真実は未だ分からないが、恐らく日下部もこんな葛藤と戦ったのだろうと容易に想像できる。
(日下部と同じ道を辿るのか)
矢車は首を横に振った。
(いや、俺は・・・)
「影山、シャドウ出動だ。用意しろ!」
「・・・はい! 矢車隊長!」
何かを振りきったような矢車の笑みに、影山も満面の笑顔で答えた。

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おにはそと

この前の節分の時、俺は貯めていたバイト代をはたいて豆を買った。
兄貴と豆まきをしたかったから。
イベントごとを嫌がる兄貴だけど、豆まきぐらいはいいだろう。

それにしても「鬼は外」なんて、去年のライダーはこの時期迫害されたに違いない。
豆をぶつけられないだけ、俺たちはまだマシかな。
みんなから忘れ去られた「窓際ライダー」だとしても。

豆を持って兄貴のところへ行ったら、やっぱり兄貴に拒絶された。
「俺たちのところに福なんて来ない」とかお決まりのネガティブな台詞を言うのかな、と思ってたんだけど。

兄貴は「家がない俺たちにとって、どこが"内"でどこが"外"なんだ」とツッコミを入れてきた。
すごいよ、すごすぎるよ、兄貴!

兄貴はツッコミにおいても頂点に立つ男だ。
ぼっちゃまなんて、目じゃないさ。

俺が買った豆は、まかれることはなかったけど、その日の夕食として俺たちの腹に美味しくおさまった。
これも、小さいけど「福」だよね・・・兄貴。

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3.任命

「ザビー」の資格者で破滅の道をたどらなかった者は、俺が知る限り、たったひとりしかいない

ザビーを自ら捨てたあいつの選択は、正しかった、と今思う



想が瞬を駆け抜けて
 3.任命


昨日未明、日下部がワームに襲われて殉職した。
その知らせは、シャドウ内部に電光のような衝撃を与えた。
特に影山にとっては、ついこの間矢車と日下部の話をしていたばかりなため、ショックもひとしおだった。

矢車はその訃報を隊員たちに告げると、沈痛な面持ちで部屋を出て行った。
これから、三島のところに行かねばならない。
自分が呼ばれる理由は分かっていた。
ザビーの資格者である日下部がいなくなった以上、次の資格者を決めるために動く。
感傷にひたる余地もない。それが、ZECTという組織だ。

『・・・矢車。もし俺に何かあったとしても、ザビーにだけはなるな。あれは魔物だ』
ザビーに選ばれた直後、日下部はそんなことを矢車に言った。
祝いの言葉をかけようとしていた矢車は、その言葉の意味が分からずただ驚いた。
日下部がZECT上層部にキナくさいものを感じて探りを入れていることは、矢車も知っていた。
ZECTには何か秘密があると薄々気付いてはいる。

日下部と違い、矢車はあえてZECTを探るつもりはなかった。
(とりあえずワームを倒すという目的には、かなっている)
だが日下部の死と、彼が残した忠告が、頭の中で警鐘を鳴らす。
(あいつは自分の身が危険なことを予感していたのか。まさか、ZECTが関わっているのか・・・?)
意識的に避けていた推測が、追い払っても心の中にしこりを残す。
止まりそうになる足を、矢車は奮い立たせた。

軽くノックをし、矢車は三島のオフィスのドアを開けた。
部屋の中には、三島の他にもうひとつ人影があった。
ZECTのトップでもある警視総監の加賀美陸、だ。
意外な人物の姿に、矢車は動揺を隠せない。
(なぜ、トップがじきじきに・・・)

「矢車くん・・・だったね」
三島ではなく、陸が声をかける。
「日下部くんが、あんなことになってしまったのでね。ザビーの件だが、君に頼めないだろうか」
口調は柔らかいが、断ることなど許されない。
陸の後ろに立つ三島が、ザビーブレスの入ったケースを見せた。
「蜂は刺すもの・・・。そう、君にならできるだろう?」
くっと陸が喉の奥で笑った。

   ザビーは魔物だ。
日下部の警告が思い出される。
意思とは無関係に、矢車は差し出されたザビーブレスに手を伸ばしていた。
まるで、圧倒的な力にひきつけられるかのように・・・。

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2.ザビー

想が瞬を駆け抜けて
 2.ザビー


ザビーの資格者として選ばれた日下部は、矢車に負けず劣らずの好人物だった。
戦闘能力においても判断力においても、矢車と拮抗している。
どちらが選ばれても不思議ではなかったが、影山は資格者が矢車でなかったことが不満だった。
(俺たちのリーダーなら、矢車さんのほうがよかったのに・・・)
決して日下部が嫌いなわけではない。
だが今、日下部には不穏な噂も流れていた。
彼がZECT上層部に不審を抱き、内部事情を調べている、と・・・。

「矢車さん!」
訓練が終わって自室に戻ろうとしていた矢車に、影山は周りに人がいないことを確かめてから声をかけた。
どうしても聞きたいことがあったのだ。
「影山か、どうした?」
矢車は変わらない穏やかな笑みを見せる。
ザビーをめぐる日下部と矢車の対決を、周囲は興味本位ではやし立てていた。結果として勝負に負けた矢車を、裏では馬鹿にする者もいる。
そんな事など気にも留めていないような上司に、影山は思い切って尋ねてみた。

「矢車さんはザビーに選ばれなかったこと、悔しくないんですか!?」
無意識のうちに手に力が入り、拳を握り締めていた。
そんな影山の様子に矢車は少しばかり戸惑う。
シャドウ隊員にしては珍しく、気持ちをまっすぐにぶつけてくる部下だ。
「俺は、日下部でよかったと思っている」
矢車はひと言ひと言かみしめるようにして続けた。
「・・・むしろ、ザビーに選ばれなくてほっとしてるといったほうが正しいな」

「えっ!?」
矢車の意外な言葉に影山は驚いた。
「ど、どうしてですか?」
必死の面持ちで尋ねる影山に、矢車は小さく息をつく。
これでは、ごまかしはできそうにない。
「影山。お前、ザビーがどんなライダーか知ってるか?」
「どんな・・・って、ZECTの二番目のライダーですよね」
「それだけじゃない。・・・ザビーは刺客なんだ」
「シカク・・・?」
とっさにその言葉が、影山には理解できなかった。
苦笑して矢車は言い直した。
「たとえば、ZECTを裏切った者や従わない者を、粛清するためのライダーということだ」

「・・・そんな、だって、誰がZECTを裏切るっていうんですか? わざわざそんな目的でザビーを作る意味なんてないじゃないですか」
ライダーはワームに対抗するためのシステムであるはずだ。
自分たちは、ワームを殲滅するためにZECTに集っているのだ。
そう考えて、ふと影山は日下部の噂のことを思い出した。
日下部の動きはZECTも知っているはずだ。
それなのに、なぜよりによって日下部が「ザビー」なのだろう・・・。

「まぁ、ザビーに関わりたくないというのが俺の本音だ」
そう言って矢車は肩をすくめた。
「嫌な予感がする。日下部に何もないといいんだが・・・」
それは矢車の心からの言葉だった。
ライバルではあっても、日下部は矢車にとって気のいい友人だ。

ザビーの黒い噂について、矢車は影山にすべてを話さなかった。
誰が言い出したのか知らないが、『ザビーの資格者は魔に魅入られる』などという話は信憑性に欠ける。
   迷信まがいだ。
理性でそう結論づけても、矢車はなんとなく気持ちがざわつくのを抑えることができなかった。

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デ・ジャ・ブ

※Aniki様のリクエストより。
コメント、ありがとうございましたv



相棒とこんな風にすさんだ毎日を送っていると、時々妙な既視感(デ・ジャ・ブ)に捕らわれる。

『ガキの頃もこんな生活をしていた気がする・・・』などとふと思って、俺は頭を振った。
以前の俺は組織のエリート・・・のはずで、こんな記憶はあるわけないのに。

天道とやりあった時にも、そのデ・ジャ・ブに襲われた。
いつだったかも俺は主人公に敵対する不良グループのリーダーで・・・。
いや、待て。
そもそも俺たち地獄兄弟は「不良グループ」じゃないだろう。
また俺は頭を振った。

そんな俺の思いが声に出ていたらしい。
相棒が相槌を打つ。
「そうだよね。ふたりっきりじゃ、グループとは言えないもんね」
・・・お前のツッコミどころは、そこか。そこだけなのか!?

かくして、俺たちは三番目の兄弟を一時的に得たが、チーム結成には至らなかった。
残念がる相棒を横目に見て、俺はまた頭を振った。

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1.始まり

※以下は、勝手に捏造した二次創作です。できるだけ本編に外れないようにするつもりですが、妄想の産物(笑)ですのでご注意ください。BLはありません(^^ゞ


矢車さんが・・・いや、兄貴がどうして俺を選んだのかは分からない

あの頃の俺は、兄貴に憧れていたただの部下だった・・・



想が瞬を駆け抜けて
 1.始まり

マスクド・ライダーシステムの話は、機密事項であるにも関わらず、既にZECT内部に広まっていた。
対ワーム戦のZECTの切り札。
最初のライダーとなる「カブト」の資格者はもう決定済みだという。
今、ZECT内部で話題になっているのは誰が次のライダー「ザビー」の資格者になるか、だった。

精鋭部隊シャドウのメンバーがその有力候補に上げられていることは影山も知っていた。
ザビーとして選ばれた者が、シャドウの次期隊長になるということも。
自分もシャドウの一員ではあるが、とてもリーダーなんてガラじゃない。
シャドウの中でも群を抜いて優秀な人物が二人いる。
日下部と矢車。
おそらく二人のうちのどちらかが選ばれるのだろうと、影山は思っていた。

競争意識が高く、仲間を蹴落としても上に上がろうとするシャドウの中で、マイペースな影山はある意味特殊な存在だった。
当然のように孤立し、いいように利用されることが多かった。
そんな状況を救ってくれたのが、小隊長の矢車だ。

「ほら、あっためて食べろよ」
給料日前で、あまりに質素な影山の食生活をみかねたのか。
矢車はタッパに麻婆豆腐を入れて持ってきてくれた。
意外にも矢車が料理を趣味とすることを知ったのは、その時だ。
「あ、ありがとうございます!」
それまであまり話したこともなかった上司に差し入れまでされ、影山は驚いた。
「そんなに緊張するな。お前らしくしてろ」
固まってしまった部下に、矢車は人好きのする笑みを向ける。

ワームに殺されてしまった弟によく似てるのだと、矢車は影山に話したことがある。
影山にとっても矢車は尊敬する先輩であり、兄のような存在だった。
矢車と親しくなったことで、他の隊員たちも影山に一目置くようになっていた。

ふたりの関係がそんな風に少しだけ変化した時。ザビーの資格者が日下部に決まったと、ZECT上層部から公式に報じられた。

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じぇねれーしょんぎゃっぷ

しばらく少し穏やかな日が続いたというのに、今日はまた真冬が戻ってきた。
寒いよ、寒すぎるよ! 兄貴!
片袖コートでは、とてももちそうにない。

兄貴には俺にはない右袖がある。
あの袖・・・欲しいなぁ。
兄貴には左袖がないから、俺と同じことを思っているのかもしれない。こころなしか、兄貴の視線が俺の左袖に注がれているような。

余りの寒さにネを上げると、兄貴は「子供は風の子だろ」と俺に言った。
それ、いつの時代の言葉だよ、兄貴。
今の子供たちは、寒い中わざわざ外で遊んだりしないって。
ってか、俺、子供じゃないし。

よく考えれば、兄貴は俺より7つ年上で。
時々、「それって死語だよ、兄貴」とつっこみたくなる言葉を兄貴が言うたび、俺は「もしかしてジェネレーションギャップってやつ?」と悲しくなる。

いいよ。死語を連発しても、競馬新聞読んでも。
兄貴は兄貴だよね。
オヤジくさくなったりなんかしないよね・・・。

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やりすぎという感じも・・・(^^;


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