仮面ライダー THE FIRST |
| たまには、ちょっとマジメに(?)仮面ライダー語りを。 歳がバレバレですが、ワタシは『仮面ライダー』1号・2号・V3辺りはリアルタイムで見てた、いわゆる昭和ライダー世代です(^^ゞ でもって、恐らくその世代のファンはたいていそうかと思いますが、1号・2号ライダーは私の中で特別で。ほとんど神格化されちゃってます。 "あの"本郷猛、とか"あの"一文字隼人、という感じ(笑)。 これがリメイクされたのが、一昨年に映画公開された『仮面ライダー THE FIRST』 ファンの思い入れが強いだけに、この手の作品は作る側も難しいだろうと思います。 あちこちで結構酷評でしたが・・・(苦笑)。私的には、面白かったですv ライダーは当然ヒーローとしてカッコいいんだけど、ライダースーツ姿で"男"のカッコよさと色気を感じたのは、『THE FIRST』が初めてでしたよ(^^) 明日香とバイクでタンデムのシーンは、何度もDVD見返しました。 で、次に"男"の色気を感じたのは、キックホッパーなわけです←余談(笑)。 ライダーのバイクアクションや、1号・2号キメポーズや共闘は、ただただ鳥肌ものに感動! でも妙に笑ってしまったのが、一文字の変身シーン。 上着の前をバッとはだけてベルトを見せるのは・・・。思わず、変●者が裸でコートの前を開くポーズとだぶるんですけど(苦笑)。 本郷の変身シーンはカッコよかったです。 少し斜めに構えて、前ボタン留めていない上着をはためかせてベルトを現わす仕草が最高v 本郷役の黄川田さんが『カブト』に出ると聞いた時は、すっごく期待して待ってたんですけど。 やっぱり・・・というか、まったく"通行人A"で終わってしまった失望が、昨日のことのように思い出されます(笑)。 もう一年前なんだなぁ・・・。 |
白夜行 [第四夜] |
| 白夜行〜想と瞬 [第四夜] 透明な棺とも思える医療ポッドの中に、影山は横たわっていた。 さすがにコートは取られているが、あの時のまま。 目は固く閉じられ、ピクリとも動かない。 血のように赤いタンクトップと青白い顔色が異様なコントラストをかもし出していて、俺は背筋が冷えるのを感じた。 「・・・相棒、生きてるか」 確かめるように声に出す。 もちろん答えが返ってくるはずはなかったが。 エリアXのZECTの施設に"保護"という名目で影山は捕らわれていた。 呼吸に合わせてわずかに胸が上下するのを認めて、俺はほっと息をつく。 (生きている・・・) 陸の言葉通り、影山はワーム化抑制の治療を受けているらしかった。 体に付けられた何本もの電極やチューブは、今の影山に必要なものなんだろう。 だがその光景は、どこか、いびつだ。 緑色の硬い皮膚に変わってしまった影山の手は、元通り人間のものに戻っている。 俺に手を見られまいと、相棒は必死に隠していた。 相棒の変化に気付いてはいたが、俺は何も言わなかった。言えなかった。 熱に浮かされながらも、手を毛布で隠し影山は笑っていた。 『早く、兄貴と一緒に白夜の国に行きたいな・・・』 影山の医療ポッドの側に立ち尽くす俺を、白衣を着た医療チームの連中は不審そうに見ている。 「矢車さん、そろそろ時間です」 白衣の集団の中から、不釣合いな黒衣の男が顔を出す。 俺をここに案内したゼクトルーパーだ。 「・・・ああ」 俺は踵を返すと、部屋を出た。 振り返ることはしない。 今は、前だけを見なければならない。 外では、十数人のゼクトルーパーが待機していた。 加賀美陸により、俺はネイティブ捕獲のための先陣を切る役目を押し付けられた。 しかも、ZECTの小隊を率いて。 「Aブロックでネイティブ化した市民が確認された。・・・行くぞ」 即席の部下たちに告げ、俺は長いコートの裾を翻す。 「・・・あの、隊長はそのお姿のままで・・・?」 遠慮がちに小隊のひとりが声をかける。 「スーツでも着ろ、ってか?」 「い、いえっ! そんなことは・・・」 ねめつけるような俺の視線を受け止めると、その勇敢な部下はすくみあがった。 「ZECTは解散したんだろ。お前たちも気楽にしてろ」 俺は背を向けたまま、背後の部下たちにひらひらと手を振って見せた。 そう。 俺はシャドウ時代の俺じゃない。どうあがいても、あの頃の俺には戻れないだろう。 →NEXT |
白夜行 [第三夜] |
| 白夜行〜想と瞬 [第三夜] 「・・・俺は誰も気にかけちゃいない」 加賀美陸が餌にしているのは、間違いなく影山だ。 だが、この男につけ込まれる隙を見せたら、こちらが不利になることは経験上よく知っている。 「言っておくが、彼は生きているよ」 「・・・何の話だ」 「手加減したんだろう? ホッパーのキックをまともに食らっていれば、あの程度では済むまい」 「馬鹿な! 手加減なんて・・・」 陸の言葉に、俺はまんまと釣られた。 認めることになってしまった俺に、陸は眼鏡の奥で満足そうな笑みを浮かべる。 「・・・ちっ!」 舌打ちして目をそむけるが、漏れてしまった言葉はもとには戻らない。 「影山は・・・本当に生きてるのか」 苛立たしい気持ちを抑えて、俺は聞いた。誤魔化しがきかない以上、こいつの話に乗るしかない。 「集中治療室、でね。ワーム化を抑えるためにも、眠ってもらっているんだよ」 ゆったりと芝居がかった口調がさらに俺を苛付かせる。 「・・・"仕事"、は何だ」 刺すように冷ややかな視線を向けた。それが今の俺にできる唯一の反抗のしるしだった。 結局はこうやって、この男の手の上で踊らされてしまう。 陸は大袈裟に嘆息し、戦いの顛末を語った。 ネイティブはカブトとガタックに倒され、ZECTは解散となった、と。 だがあくまで表面上だ。まだZECTには、ワーム化した人間たちを保護するという仕事が残っている。 「"保護"・・・ね。"捕獲"の間違いじゃない?」 皮肉を込めて俺は笑った。 「どちらでも構わんよ。なんにせよ、動かせる駒が他にいない」 要は、ネイティブ狩りに動員できるライダーが欲しい、ということだろう。 「汚い仕事はこっちに回す・・・って?」 「君も知っている通り、カブトとガタックはいまだ『赤い靴』を履いている。彼らを行かせられると思うかね」 わざとらしく正論を唱える陸に、納得せざるを得ない。 もともと、否と言えない取引きだ。 「・・・ワーム化した人間はどうなる?」 元に戻せるのか、とは聞けなかった。 聞くのが怖かったのかもしれない。 ネイティブが残した技術とZECTの開発力が、人間をワームに変えた。 ならその逆は・・・ワームを人間に戻すことは・・・。 「それは、君の協力次第」 明確な答えを示さず、煙に巻く。 この男独特の物言いに、俺は問い詰めるのを諦めた。 まだ、俺は、地獄から抜け出せないらしい →NEXT |
ざびー |
| ある日常のひとコマ。 兄貴も俺もやることがなくて、暇を持て余すことが多い。 「クイズやろう、兄貴。俺が質問するから答えてね」 兄貴は面倒くさそうに俺の方を見るだけで返事をしない。 俺は構わず続ける。 だって、いつものことだから。 「その一。"蝶のように舞い蜂のように刺す"といったら、何を思い出す?」 「・・・ザビー」 ぼそっと兄貴が答える。 ほら、乗ってきた。 「その二。唯一カブトを倒したライダーは、キックホッパーともうひとりは誰?」 「ザビー」 よしよし、いい感じ。 「その三。じゃあ、男を次々とっかえひっかえする、尻軽でヘタレなライダーは?」 「影山」 ・・・兄貴、そこまだオチつけるとこじゃないから。 (しかもなんで、俺だけ変身前?) |
北風と太陽 |
| 「暑いねー、兄貴暑くない?」 パタパタと手で扇ぎながら、さっきから相棒がうるさい。 まだ春先だというのに、最高気温は20℃まで上がるだろうという天気予報の予測はどうやら当たりそうだ。 「暑いならコートを脱げばいいだろう」 「えー、やだよ。せっかく兄貴とおそろいなのに」 兄貴が脱ぐなら俺も脱ぐけど、という相棒の台詞はあえて無視する。 「・・・北風と太陽の話を知っているか?」 我ながら、童話もないものだと思ったが、相棒に話すにはそのくらいのレベルがちょうどいい。 「北風と太陽が勝負をした。勝負の方法は、旅人のマントをどちらが脱がせることができるか、というもので・・・」 幼い頃に読んだ記憶を頼りに、俺は続けた。 だが語り出したものの、思いのほか覚えていない。 マズい・・・。どんな話だった? 詰まりがちになる俺の言葉に、相棒は「そうそう、それそれ!」と相槌を打つ。 いつからお前は、メイクアップ・アーティストになったんだ。 「子供向けの話なのに、教育上よくないよねー。北風も太陽もホモだったんでしょ。旅人の服を脱がせようなんて、スケベだよねー」 ・・・相棒。激しく歪んだ解釈をしていないか? 少なくとも、そんな話じゃなかったと思うんだが。 異議を唱えたかったが、はっきりと話の筋を覚えていない俺には何も言う資格はない。 「・・・今日は暑いな」 俺はあいまいな返事をして、その会話を無理やり終わらせた。 黒いロングコートは、それでも脱ぐことはしなかったけれど。 |
白夜行 [第二夜] |
| 白夜行〜想と瞬 [第二夜] 体も、心も、すべてが凍てついてしまったかのように感覚がなかった。 体を動かそうにも、自由が利かない。 どうにか重い瞼を持ち上げると、目に映ったのは病院のものらしい白い天井だった。 「・・・矢車さん! よかった、気がついた」 すぐ近くで聞き覚えのある声がする。 (・・・影・・・山・・・?) 俺はゆっくりと首を回し、ベッドの脇に立つその男を見た。 影山であるわけが、ない。 混濁する意識を持て余し、俺はもう一度視界を閉ざした。 そして、目を開ける。 今度ははっきりと現実を見据えて。 「加賀美・・・か」 寝かされたままの俺を心配そうに覗き込みながらも、屈託のない笑顔を浮かべる男。 対ネイティブ戦のキーマンの一人。ガタックの資格者、加賀美新だ。 「大丈夫ですか? 海に落ちたって聞いたから、びっくりしましたよ」 この寒空の下ですからね、と加賀美は身をすくめる。 「・・・そういうお前も、ボロボロだな・・・」 加賀美の頭には包帯が巻かれ、顔にも無数の傷と血の跡があった。 「天道も俺もぼろぼろです。・・・でも、もう終わりました」 晴れやかな顔で加賀美は告げる。 ネイティブの野望は砕かれ、すべて終わったのだ、と。 「終わっ・・・た?」 加賀美の言葉に俺は違和感を覚えた。 ネイティブの黒幕は倒された。 人間たちは、ワームにされる恐怖から解放された。 だが既に、多くの人間がワームに変わってしまっている。 そこまで考え、俺はハッとしてベッドから身を起こそうとした。 「・・・つっ!」 体勢を変えた途端、全身に激痛が走る。 「影山は・・・!?」 痛みにも構わず、俺は加賀美の胸倉をつかんで引き寄せた。 ワームに襲われ海に落ちた俺は、恐らくZECTに発見されたのだろう。 ここは、ZECT直轄の病院だ。見覚えがある。 だが、あの後、影山はどうなった 俺の剣幕に、加賀美は目を丸くした。 「影山さん、ですか? さあ、俺は何も・・・」 落ち着いてください、と言いながら、俺をベッドに戻そうとする。 その時、まるでタイミングを計ったように一人の男が病室に入ってきた。 「親父・・・」 呟く加賀美に、XECTのトップである男は父親の顔を向けた。 「新、天道くんが呼んでいたぞ。これからサルに行くんだろう」 あ、いけね、と加賀美は踵を返す。 「矢車さん、また来ますから!」 慌しく出て行く息子を見送ると、加賀美陸は仮面のようにその表情を切り替えた。 交渉を持ちかける時の顔、だ。 「もう少し寝ていたまえ。凍傷もあるそうだから」 「今さら・・・何の用だ」 俺は低い声で制した。 関わりたくない男だった。何もかも失った今となっては。 不躾な態度に気を害した様子もなく、俺の元上司は話を進める。 「ホッパーとして最後の仕事の依頼をしようと思ってね」 「・・・誰が・・・」 吐き捨てるような俺の反応も想定内だったのか。 ひるむことなく、続けた。 「・・・報酬は、君が気にかけている人物、だとしたらどうだろう?」 →NEXT |
さくらげんそう |
| 兄貴、お昼寝中。 「兄貴、兄貴ってば」 ゆすってみても返事がない。 ただの屍のようだ・・・。 「・・・誰が屍だ」 あ、起きた。 目覚めたそばから不機嫌な兄貴の声。 「だって全然動かないからさ」 「眠ってて歩き回ったら変だろうが」 兄貴、曲解しすぎ。 そういう意味じゃないんだ。 「まだ寒いのに、よくこんなとこで眠れるなぁって思っただけだよ」 「以前と比べればだいぶ春らしくなったがな」 兄貴が寝転がっていた土手の桜の木は、満開とはいかないまでも花が咲き始めている。 「桜が満開になったらさ、花見に来ようよ! あ、お弁当作るのはもちろん兄貴ね」 「・・・お前な」 ことさらはしゃいで見せると、兄貴は呆れた顔でため息ひとつ。 よかった、いつもの兄貴だ。 初春の風を受けて、少し青ざめて冷たくなった兄貴の顔。 眠っている兄貴は、あり得ないほど穏やかで・・・。儚くて・・・。 桜の花びらが舞い落ちる中、まるで、永遠の眠りに就いているようで・・・。 さっきの幻想を打ち消すように、俺はブルンブルンと頭を振った。 「お花見なんだから、豆腐はナシね。やっぱ、おむすび!」 「どこの世界に豆腐を持ってく奴がいるんだ」 そもそも花見になど行かん、と兄貴。 「ダメだよ! 絶対行く。そうしなきゃ俺、桜見るたび思い出しちゃうもん」 「・・・?」 嫌なイメージは追い払って。 いい思い出に塗り替えよう。 だって、せっかくの桜。 兄貴と過ごせる、一年で一番綺麗な季節なんだから。 |
白夜行 [第一夜] |
| ※ リクエスト、ありがとうございますm(__)m ネイティブになった影山を倒したその後の矢車さんのストーリーです。暗い始まりですが、ハッピーエンド目指してv 妄想と捏造につき、ご注意を・・・。 「・・・さよならだ、兄貴」 その後に小さく呟いた、相棒の最期の言葉が、忘れられない 白夜行〜想と瞬 [第一夜] 空っぽになったようだった。 いつも俺の側にいた相棒は、もういない。 相棒は俺に倒されることを望んだ。だから、俺もそれに答えてやった。 それだけだ。 感傷の入る余地などない。 しばらくの間、動かなくなった相棒の体を自分の方へともたれさせ、ぼんやりと考える。 なぜ、俺は白夜の世界など求めたりしたんだろう。 馬鹿げている。 「『光』を求めるとしっぺ返しを食らう、と言ったのは、俺だったな・・・」 自嘲気味に笑った。 これが、しっぺ返しか。 外気の寒さのせいなのか、相棒に貸している俺の肩にぬくもりは感じられない。相棒の体がどんどん冷たくなっていく気がする。 トクントクン・・・と微弱ながらもわずかに伝わってきた心臓の音。 それも今はもう、聞こえてこない。 コンテナに身を潜め閉ざされた空間で、見えるのは頭上の星だけだ。 こんな風に俺たちは毎晩、空を見上げていた。 白夜の世界に思いを馳せながら。俺たちにもつかめる光に焦がれて。 『あの星、すっごく輝いてるね。兄貴みたいだ』 相棒は、よくそんな言葉を口に乗せた。 『・・・皮肉か?』 自分の今の状況を把握できないほど、俺は馬鹿じゃない。 だからこそ、相棒の素直な賛辞を受け入れられず、俺はいつも苦々しく思っていた。 『兄貴は輝いてるよ。自分では気付いてないかもしれないけどさ』 どんなになっても兄貴は俺にとって星だから、と相棒は笑顔で言った。 『白夜の国に行っても、またこうやって星をみようね』 『星はよく見えないだろう。夜でも太陽が沈まないんだからな』 にべもない俺の言葉に、相棒はうっと声を詰まらせる。 『じゃあ、太陽でいいよ! 兄貴は太陽!』 ムキになる相棒に俺は内心苦笑した。決して顔には出さなかったが。 俺はお前にそんな風に思われるほど、できた人間じゃない。 お前を助けたのも、すべて俺自身のためだった。感謝されるいわれはない。 なのに、お前は最期の瞬間にあんな事を言うから 思った以上に放心していたのかもしれない。 俺はその時、周りから迫ってくる異様な気配に気付かなかった。 「ちっ!!」 数体のワームが星明かりの中に浮かび上がる。 影山と同じく、ネックレスのせいでネイティブに変わってしまった人間たちらしい。 自我を失っているのか、獣のような呻きをあげて俺たちに近づいてくる。 相棒の体を壁に預けると、俺は身構えた。 逃げようにも、影山を背負ってここを突破するのは無理だ。 「お前ら、目を覚ませ!」 一体のワームに威嚇するような蹴りを食らわせる。 変身は、しない。 戦うのはためらいがあった。 この連中にもきっと、大切な人たちがいるのだろうから。 相棒を背にかばいながら、俺は身を守るためだけの戦いに徹した。 だが、次第に攻撃をかわすのに精一杯になり、相棒から引き離されていく。 「影山!!」 意識のない相棒にワームが狙いを定めた。 「どけっ!」 目前のワームを蹴り倒し、俺は相棒に襲い掛かろうとするワームに飛び蹴りを放つ。 が、その瞬間、強い衝撃とともに俺の体はふわりと浮き上がった。 壁を突き破り、ワームに殴り飛ばされた俺は、重力に従って急速に落下する。 下は、冷たい海だ。 俺の意識はすでに途切れていたのだと思う。 海に落ちる前に、頭の中に相棒の最期の言葉が響いてきた。 『俺、兄貴と出会えてよかった・・・』 苦しそうに笑みを浮かべてみせた相棒の姿が、水しぶきの中にはじけて消えた →NEXT |
「電王」第9話 |
| またまた強烈なキャラです。 キンタロス(笑)! なんか、響鬼映画版の西鬼を思い出させますが。 あちこちに伏線が張り巡らされ、絶妙のタイミングではぐらかされる辺り、今後に期待ってとこですか。 今日は、ストーリーもバランスよくて面白かったと思いますv もう電王も9話・・・ってことは、地獄兄弟を画面で見なくなって10週間。 早いなぁ・・・。 少し更新ペース落ちてますが、まだまだ小説書かせていただきます! リクエストもいただいたし・・・。(ありがとうございますv) 長編で書きたいな、と構想練ってますので、今しばらくお待ちください(^^) |
19.地獄の兄弟 |
| 俺と一緒に地獄に堕ちるか 俺の、弟になれ 想が瞬を駆け抜けて 19.地獄の兄弟 ワームを一掃した矢車は、自分について来い、と影山を誘った。 何かの魂胆があるのかもしれない。 少なくとも矢車は自分のことを恨んでいるはずだ。そう思い至り、影山は警戒した。 しかし、結果的に自分からZECTを裏切った影山にもう帰る場所はない。 差し伸べられる手があれば、それに無条件にすがるしか術がなかった。 今の状況は、影山にとってこれ以上ないほどの地獄だった。 だが、矢車と共に行く道は更なる地獄に続いているような気がする。 (もう地獄にだってなんだって堕ちてやるさ・・・) 覚悟を決めたかのように、矢車から投げて寄越されたゼクターを影山は手に取った。 「このゼクターは・・・?」 「俺と対になるライダーだ。ZECTのトップから押し付けられた」 淡々とした矢車の言葉に影山は目をむいた。 「バカな! だって三島さんだって知らないのに・・・」 「ホッパーゼクターの存在を知っているのは、ZECT上層部でも限られている。知らなくて当たり前だ」 影山は驚きを隠せなかった。 "ZECTのトップ"とは、加賀美新の父親・加賀美陸のことだろう。 ZECTを放逐された矢車が、依然ZECTとつながりを持っていたとは。 「・・・ホッパーの存在意義と目的は?」 努めて感情を押し殺しながら影山は尋ねる。 矢車にどんな態度を取ればいいか、分からない。 いろいろなわだかまりが、まだ胸の奥でくすぶり続けている。 そんな影山の様子に、どこか満足げに矢車は答えを返す。 「ネイティヴを含めた全ワームの殲滅。そして、カブトとガタックのサポートもしくは安全装置」 「・・・・・・?」 ネイティヴとZECTの癒着を知らない影山には、矢車の言っている意味が理解できない。 そのことに気付き、矢車はやれやれというようにため息をついた。 「説明は後でしてやる。来るか来ないかだけ、今決めろ」 強引な物言いに、影山は戸惑った。 以前の矢車とは違いすぎる。 「ひとつだけ確認したい」 「なんだ?」 面倒そうに、矢車は目線だけを影山に向ける。 「・・・ホッパーは、人間を守るためのライダーなんだな?」 初めてまっすぐに自分を見つめてくる影山に、矢車の表情が少しだけ変わる。 「そうだ。 そう答えた矢車の目は、わずかに穏やかな色を見せている。 なんとなく、影山は心の中が晴れるのを感じた。 『安心しろ』 そのひと言を、信じてみようと思った。 たとえ、ZECTを敵に回しても 矢車に肩を貸してもらい、影山は歩き出す。 「矢車・・・さん。俺、あんたのこと、なんて呼んだらいい?」 「好きに呼べ」 シャドウにいた頃とは何もかも変わってしまった二人だった。 上司と部下で、裏切り裏切られ。 新たな関係を築いていくのに、以前と同じ呼び方はふさわしくない気がした。 気持ちの上で、全てを清算するには時間が必要だろうけれど。 ふと、弟になれ、と言った矢車の言葉が甦った。 (弟・・・か) もともと影山にとって矢車は兄のような存在でもあった。 「じゃあ、兄貴って呼ぶよ」 まだ少しぎこちない笑顔を影山は浮かべる。 矢車は何も言わなかった。 それは了承の合図なのだろう。 →NEXT |
「電王」第8話 |
| 来た! 関西弁をしゃべるライバル!! いや、ライバルになるのかゲストキャラなのかは分かりませんが。 『コナン』しかり、『味っ子』(古いか・・・)しかり。 やっぱりライバルは、関西弁じゃなきゃ(笑)。 でも、先週に引き続きストーリーが印象に残らなくなってきたのは、どうしてだろう・・・。 それにしても良太郎の運の悪さってば。 あれで笑っていられるというのは、スゴイことだと思いますよ。良ちゃんの心根をお手本にして、清く正しく明るく生きて生きましょうv 地獄兄弟と真逆(苦笑)。 |
18.終わりと始まり |
| 陸から渡された、もうひとつのホッパーゼクター その資格者になるべき人物は既に決まっていた 想が瞬を駆け抜けて 18.終わりと始まり 影山は焦れていた。 ザビーゼクターを天道から取り返すことは叶いそうにない。 ザビーを失った今、自分はどうしたらいいのか。このままZECTを追放されたらどこへ行けばいいのか。 不安と焦りがじりじりと心に重くのしかかってくる。 普段なら耳を貸さない間宮麗奈の甘言につられたのも、そんな不安で目が眩んでいたからだろう。 『立川というワームを殺すこと』 それがZECTを裏切る行為であることに、影山は立川自身に指摘されるまで気付けなかった。 麗奈は自分を捨て駒にしたに過ぎなかったのだ。 だがすべてが、もう遅かった。 今まで共に戦ってきたシャドウから砲弾を浴びせられ、麗奈率いるワームになぶり者にされる。 影山は絶望の思いで目を閉じた。 (なんで、こんなことになったのかな・・・) 目を閉じて思い浮かぶのは、昔の記憶だった。 早くに両親を亡くした影山は、あまり恵まれたとは言えない人生を送ってきた。 ZECTという組織の存在を知ったのはほんの偶然から。 まだ学生だった頃、ワームに襲われた影山を救ったのが、その時ZECTで実力を発揮しつつあった矢車だった。 おそらく矢車は、そのことを覚えていないだろうが。 学校を終え自分の進む道を考えた時、影山がZECTに入る決断をしたのには、少なからず矢車の影響があった。 自分もあんな風になりたい、と強く憧れた。 シャドウに入隊し、憧憬と尊敬の対象であった矢車と親しく言葉を交わすようになった頃。 シャドウになかなか溶け込めなかった自分を、矢車は何くれとなく気にかけてくれた。 その当時のことがまるで映画のコマのように、影山の脳裏で何度も何度も再生される。 あの頃が一番幸せだったのかもしれないな、と影山は思った。 「影山・・・、待っていたぞ」 ふいに聞こえたその声に影山は目を見開く。 「・・・矢車・・・」 聞き違いでは、ない。 闇に落ちそうな意識の隅で、影山は矢車の姿をとらえた。 (待っていた・・・?) 矢車は影山を助けようと走りこんでくる。 起き上がりたかったが、傷を負った体は影山の意思通りに動いてくれない。 「つ・・・!」 少し体を動かすだけで激痛が走った。 諦めて視線だけを矢車に向けると、矢車は精鋭部隊と言われるシャドウを次々と蹴り倒していく。 なぜ矢車が自分を助けてくれるのか、影山には分からなかった。 「影山、笑え」 倒れたままの影山に矢車が近づいてくる。 「笑えよ」 矢車の意図を測りかね、影山は問い返すこともできずただ矢車の顔を見つめた。 どこか怯えた表情を滲ませる影山に、矢車は面白くない、とでも言いたげに目線をそらす。 ワームを苦もなく蹴散らす矢車を目の端に映しながら、影山はなんとか体を壁際にもたれさせ座ることに成功した。 助かった、という気持ちは湧いてこない。 むしろ、得体の知れない恐怖が心の中を占めていた。 →NEXT |
ホワイトデー |
| 「兄貴、今日なんの日か知ってる?」 またもや相棒が猫なで声で聞いてくる。 その台詞は、一ヶ月前にも聞いた。 ホワイトデーのことを言いたいのが丸分かりだ。 だが、待て。 俺は相棒にチョコをやってもいなければもらってもいない。 バレンタインの時にそういった事実がない以上、今回のホワイトデーは無関係じゃないのか。 そもそもキリスト教とは無縁の、菓子メーカーがでっちあげた日本だけの行事だろう。 「知らん」 相棒にねだられてもたまらない。 俺は素知らぬ振りを通すことにした。 「えー、知らないの兄貴」 「ああ」 あからさまに残念そうな相棒の顔。 「今日はさっ、五木ひ○しの誕生日なんだよ」 「・・・・・・」 耳が遠くなったんだろうか。 俺は相棒の言ったことが飲み込めない。 黙ったままの俺に相棒はもう一度繰り返す。 「やだなー、聞いてなかったの? だから五木○ろしの誕生日だって」 ・・・お前、確かハタチだよな。 どうしてそんな昭和世代演歌系の、しかも誕生日まで知っているんだ。 「ホワイトデーとか言うだろ、普通」 驚きが、つい言葉に出てしまった。 「あ、なんだ。兄貴知ってるじゃない」 にまっと笑う相棒に、乗せられた、と思ったがもう遅い。 「安心してよ。別に兄貴に何かもらおうと思ってるんじゃないからさ」 ・・・当たり前だ。 「来年は俺、バレンタインに何か兄貴に贈るから」 気持ち悪いからいらん、と断ると、感謝の気持ちだよ、と相棒は言う。 「・・・手作りチョコだけはやめろ」 「うん。俺、兄貴みたいに料理うまくないし」 そういう問題じゃないんだが。 「だから、ホワイトデーは3倍返しねっ」 したたかな弟分に、俺はため息をついた。 仕方がない。 必殺のキックを見舞うのは、来年まで延期しておいてやろう。 |
そつぎょう |
| そろそろ卒業式のシーズンなんだ。 袴姿の女子大生とか、卒業証書を持った制服姿の学生たちを見るたび、俺は思わず振り返ってしまう。 俺も、もし今大学生だったら・・・なんてことを考えてしまって。 「セーラー服はやめとけ。危ない趣味に走るんじゃないぞ」 なんて、兄貴は的外れなことを言ってくる。 兄貴、俺は時々兄貴が俺のことをどう見てるのか不安になるよ・・・。 「違うって! 卒業の時期なんだなぁって見てただけさ」 一応訂正しておく。 そう。俺の趣味は学生よりも児童・・・って、そうじゃなく! 「卒業か・・・。お前も俺から卒業するか?」 突然兄貴がそんなことを言うから、ますます不安になってくる。 「冗談でもそんなこと言わないでよっ。俺は一生兄貴についていくんだから」 「そうか」 俺の言葉に兄貴は面白そうに笑う。 もしかして、からかわれた? 最近の兄貴は少しイジワルだ。 もし俺が今学生だったら、今頃学校生活を楽しんでいたんだろう。 サークルにでも入って(たぶん漫研だな)、友達と騒いで・・・。 でもそうしたら、きっと兄貴には会えなかった。 「兄貴、いつか俺たちもこの地獄から『卒業』しようね! もちろん一緒にさ」 我ながらヘンなこと言ったかも・・・と思わず兄貴の顔を窺うと。 「ああ」 と、今度は茶化すことなく返事してくれた。 卒業式。人生の節目。 進む道は人それぞれだけど。 どんな道を選んでも、後悔だけはしたくない。 |
「電王」第7話 |
| いいじゃん いいじゃん スゲーじゃん!! なんとなく口ずさんでしまうフレーズ(笑)。 特に今日は本編にショーゲキ的な台詞がなかったので、主題歌の方が耳に残ってます。 ギャグ色強し! いや、いいんですけど。 そのせいかストーリーのテンポが悪かったような気がして私的にはちょっと消化不良です(--ゞ 女の子の部屋にお泊りしてしまうという、健全な子供向け番組としてはありえないシチュエーションを、あっさりと流してしまうスタッフはスゴイ・・・(笑)。 良太郎ワイルドバージョンも、なんか久々のような気がして楽しかったです。やっぱり役者さん、うまいわ・・・v |
17.真実 |
| 想が瞬を駆け抜けて 17.真実 半年ほど前 ZECTを去った矢車が陸によって初めてここに連れて来られた時、陸は同じように矢車にゼクターを差し出した。 そして、ZECTの真実をすべて矢車に明かした。 ZECTがネイティヴと呼ばれる別種のワームと手を組んでおり、『マスクド・ライダーシステム』はネイティヴの協力の元に生まれたものであること 陸から語られたその事実に、矢車は愕然とした。 だが矢車を打ちのめしたのは、さらに恐ろしい秘密だった。 「人間をワームに変える・・・? どうしてそんなことをZECTは認めているんですか!?」 ネイティヴは何年もの間、ひとりの被験者を使って人体実験を行っているという。 ネイティヴの協力を必要とするZECTは、被験者はひとりだけにとどめるという条件で、ネイティヴのその要求を飲んだのだ。 手術台に横たわり体にメスを入れられる被験者の痛々しい姿を、矢車は目の当たりにした。 20歳にもなっていないような年若い少年だった。 麻酔が効いているらしく目は閉じていたが、青ざめた顔に浮かべているのは苦痛の表情で。 見ていられず、矢車は目をそむける。 こんなことが許されるのか。 「我々も心苦しいのだよ」 今はまだネイティヴを敵に回す時期ではない、と陸は言う。 「『赤い靴』の発動までは、何があっても沈黙を守り通さねばならない・・・」 ライダー達もやがてはネイティヴに取り込まれる。ネイティヴに対抗できるのは、暴走システムを持つカブトとガタックのみだ。 陸の話を聞きながら、矢車はザビーの紋章のことを思い出した。 ザビーゼクターは、ZECTへの忠誠を強いて資格者の心を支配する。 あの現象は、ネイティヴの技術だったと考えれば納得がいく。 あんなふうにして、ネイティヴは人間の体も心も乗っ取るつもりなのだろう。 「・・・ひとつ、教えてください。半年前、一番初めにザビーの資格者に選ばれた日下部は・・・なぜ、死んだのか」 震える唇で矢車は問いただす。 ずっと胸にくすぶり続けていた疑惑に答えが与えられそうな気がした。 しかし、それは決して好ましいものではない。 「・・・君が思っている通り、だろう」 陸の言葉が無情に響く。 (ZECTに殺された・・・のか) 日下部がどこまでZECTの秘密をつかんでいたのか分からない。けれど正義感の強かった日下部なら、ZECTのこんな非道を黙って見過ごせるはずがなかった。 「ちっ・・・」 陸の頼みを聞く気など、もはやこれっぽっちもない。 荒々しく扉へと足を向けた矢車の背に、陸は告げる。 「言っただろう。何があっても沈黙を守らねばならない、と。協力を拒むというのなら、君をこのまま返すことはできんのだよ。残念ながら」 いつの間にか、矢車の背後には黒服の男達が数人立っていた。 陸直属のSPだ。 それぞれが小型の銃を手にし、銃口を矢車に向けている。 「脅迫、ですか」 「そうだ。君の『正義』への、な」 「俺はここで殺されても、ZECTには屈しません」 怯えた様子を欠片も見せずきっぱりと矢車は言い放つ。 「小事にとらわれ大事を見過ごす、か。君は、ワームが人間を蹂躙するのを放っておくつもりかね」 諭すような陸の指摘に矢車の心は揺さぶられた。 被験者の少年や日下部にZECTがしたことは、明らかに犯罪だ。許すことはできない。 だが、それはすべて人間をワームから守るために耐えなければばらないことだと、陸は言うのだ。 『罪』を、容認する。 しなければならない。 大きな目的のために。 その決断が、矢車の今までの価値観を根底から覆し、人生を塗り替える大きな転機となった。 →NEXT |
16.ホッパーゼクター |
| 想が瞬を駆け抜けて 16.ホッパーゼクター いまだ降り止む気配のない雨の中を、矢車は歩いていく。 すでに衣服は絞ることができるほどに水を吸い、少し長めの前髪からも水が滴り落ちているが、矢車はまったく気に留めていない。 雨の冷たさに奪われていく体温が、いっそ心地好かった。 自分と同じように見捨てられ、ずぶぬれになった影山を思い出し、矢車は口の端で笑った。 (待ってろ。お前もじき、地獄の住人だ) 影山は矢車の変わり果てた様が信じられなかったのだろう。驚きと恐怖がその瞳にありありと表れていた。 (確かに、俺はあの頃の俺とは違う) 自分の変化は、矢車自身も自覚している。 (だが、お前も・・・) 可愛い部下だった頃の影山の、自分を慕う笑顔が浮かぶ。 矢車がザビーになった頃から、何かが少しづつ崩れてきた。 変わってしまったのは、果たしてどちらが先だったのだろう 渋谷廃墟の一角に倉庫のような建物があった。 目的の場所に着くと、矢車は扉をわずかに開き、中に身を滑り込ませた。 「びしょ濡れじゃないか。傘を持っていかなかったのかね」 先に来ていた人物がそう声を掛ける。 「・・・構わない」 短く矢車は答えた。 「見つかったかい? 君の相棒は」 「ああ・・・」 必要最低限の会話は、すべてが思惑通りに進んでいることを示していた。 「それは、よかった」 人好きのする笑顔を浮かべ、初老のその男はゆっくりとした口調で言う。 警視総監にしてZECTのトップである、加賀美陸。 「『これ』も片割れを見つけて喜んでいるよ」 そう言って、陸は矢車が持つものとまったく同じものを矢車に渡した。 ホッパーゼクター。 他のゼクターと違い、対(つい)になった時最大限の力を発揮する。陸のみが知る、秘密裏に開発されたゼクターだった。 →NEXT |
15.追放 |
| 想が瞬を駆け抜けて 15.追放 ザビーゼクターを失った影山を組織に残しておくほど、ZECTは寛容ではなかった。 利用価値がなくなった道具を切り捨てるように、ZECTは影山を放逐した。そこには、一片の温情も躊躇もない。 「隊長でもザビーでもないお前など、ただの不協和音だ」 以前影山が矢車に浴びせた言葉が、今度はそっくりそのまま自分に返ってくる。 雨の中、影山はシャドウの元部下たちによって殴られ、車から放り出された。 仮にもザビーとして隊長の任にあった自分に対するものとは思えないほど、その仕打ちは冷たい。 『もう、あんたは必要ない。むしろ不協和音なんだよ』 そう自分が告げた時の矢車の表情が、影山の脳裏に浮かんでくる。 (辛そうな・・・顔してた・・・な) あの時、矢車は怒りを表わすことも泣くこともしなかった。 ただ辛そうな、哀しそうな顔で影山を見ていた。 「お前はいいよなぁ、影山」 幻かと思った。 「・・・矢車」 つい今自分が思い出していたその人物が目の前にいる。 影山と同じように雨に打たれたまま、路上に座ってこちらに目を向けている。先日と同じ、死んだような眼差しで。 「俺が見た地獄はこんなもんじゃない」 「うるさいっ!お前のせいで俺はザビーの座を・・・」 (何言ってるんだ、俺) 矢車への罵倒が理不尽なものであると分かりながら、影山はそう叫んでいた。 矢車の顔をまともに見ることができない。 こんな惨めな様をさらすのは我慢ならなかった。 今の自分を、矢車はきっとあざ笑っているのだろう。 いいザマだ、と罵りの言葉が来ると思っていたのだが。 「地べたを這いずり回ってこそ、見える光があるんだ」 矢車はずぶぬれの体をさらに地に擦り付けるようにして言う。 「・・・光?」 影山は目を見張った。 矢車は突然何を言い出すのか。 完全に狂気を宿した者の言動だった。 やはり矢車は以前の矢車ではない。 何がひとりの人間をここまで変えてしまえるのだろう。 (俺のせい・・・なのか?) ザビーを失いZECTの呪縛を逃れた故か、影山の心がチクリと痛んだ。 矢車と同じ立場に陥って初めて生まれた、矢車に対する罪悪感だ。 高笑いしながら去っていく矢車の後姿を、影山は呆然と見送った。 これから、どうすればいいのか。 もう何もかもが分からなくなっていた。 →NEXT |
試食 |
| 今まで何があっても屈しなかった俺が。 あまりにも腹が減っていたため、ついに相棒の甘言に乗ってしまった。 「兄貴、スーパー行こうよ! 今日と明日はカレーの試食販売やってるはずだからさ」 ウキウキと俺を誘う相棒を拒む力は、俺には残っていなかった。 「あ、今度の日曜日はアイスの試食もやるって。だいぶあったかくなってきたもんねぇ」 一体どこからそんな情報を仕入れてくるんだ、こいつは。 ZECTにも負けない影山の情報網に俺は舌を巻いた。 「で、なんで茶碗を持ってるんだ」 「だって、試食の皿小さいし・・・」 どこから茶碗なんか拾ってきたのか。しかも端が欠けている。不衛生だろう。 いや、その前に、お前にはプライドはないのか。 「来週あたりは麻婆豆腐やるらしいよ」 ・・・もう勝手にしてくれ。 俺はヤケクソ気味に相槌を打った。 「そりゃ、楽しみだな」 「いや、来週は俺行かないよ」 「どうしてだ?」 麻婆豆腐は相棒の好物だ。食い意地の張ったこいつなら、絶対飛んでいって鍋ごと奪うのではないかと思っていたんだが。 「だって、兄貴の作るのが一番うまいんだもん」 兄貴が作ってくれるやつを真っ先に食べたいんだ、と言って相棒は笑った。 ・・・本当にバカな奴だ。 なぁ。 いつかまた光の中で、お前に麻婆豆腐を作ってやれる日が来るのだろうか。 |
14.喪失 |
| 想が瞬を駆け抜けて 14.喪失 見知らぬライダーに変身する矢車を、影山は驚愕の思いで見つめていた。 矢車はZECTに戻ったのだろうか。 「あいつはZECTの敵だ、殺れ!」 訳が分からないままに影山はそう叫ぶ。 ZECTの敵 それを聞いて、矢車は可笑しくなった。 (まだお前は、ZECTを信用してるんだ?) 「影山・・・俺と一緒に地獄に堕ちよう」 容赦なく矢車は影山にキックを仕掛けた。 避ける術もなくまともに食らった蹴りに、影山は倒れる。 変身を解除し離れていくザビーゼクターを、影山は必死に止めようとした。 (ザビー!!) 嫌な予感がした。 今ここでザビーゼクターを手放したら、もう二度とザビーになれないかのような。 ザビーゼクターが天道の手に収まるのを見た時、影山は全身の血が凍りついたようだった。 しかしカブトの矛先はもう矢車に向けられている。矢車のゼクターをも奪おうとしているのだ。 (俺の、ザビーゼクターを) 目の前で始まった天道と矢車と対決。 だが変身が解けた今、影山はそれに加わることもできない。 「返せ」 ぽつりと声が出た。 「俺のザビーゼクター、返してくれよっ!」 気がつくと、子供のように叫んでいた。 なりふりなど構わない。 ただザビーを取り返すことで頭がいっぱいだった。 カブトにすがりつく影山の姿に矢車は冷めた目を向けた。 泣いて頼めば望みが叶うというのなら、誰も苦労はしない。 (相変わらずバカな奴だ・・・) ザビーに釣られZECTの狗に成り下がった元部下に、憐れみの気持ちは湧いてこなかった。 (お前もそろそろ地獄を見たほうがいいよなぁ?) 矢車はこれからのことを考え、わずかに笑った。 瞳に、狂気の色を浮かべて。 →NEXT |
「電王」第6話 |
| そうか、ウラタロスはウソツキキャラだったのね・・・。 なんか車掌さん、もといオーナーさんが「パス」「パス」と言うし、時の流れの中をうんぬん・・・と言うもんだから。 ああ、今度は『銀河鉄道999』なのね(笑)。 なんとなく『電王』観ていていろんな意味で懐かしい気がするのは、きっと懐かしアニメやドラマを彷彿とさせるものがあるからだわ、と勝手に納得してます(^^ゞ それにしても、良太郎の良い子っぷりは今日も発揮されておりました。 いい子だ、ホントv でも6話終わっても、男キャラが良太郎だけというのは、ちとさみしい気もします。 良太郎自身の変身の面白さはあるけど、まだ他の男優さん出ないんですね。去年までは、今頃はもう次々に新キャラ登場・イケメン花盛りだったのに(爆)。 いや、それか余りにも技術の方に予算を取られ、レギュラー陣を増やせないとか(苦笑)。 デンライナーや今日の戦闘シーンなんて、お金かかってそうだもんなぁ・・・。 |
13.変化 |
| もう、パーフェクトもハーモニーもないんだよ 想が瞬を駆け抜けて 13.変化 カブトはすべてのゼクターを集めるという無茶な行動に出た。 だがおかげで、大義名分を掲げてカブトを葬ることができる。 ZECTに従わない者を狩る 影山は、まるでウカワームの部下のように振舞う自分の立場が嫌だった。 けれど、ウカワームのバックには三島がいる。三島の命令に逆らうわけにはいかない。 影山にとって最後のよりどころであるZECT。 そこにしか自分の居場所はない。どんなことがあっても、自分はZECTにそむくことはできないと影山は分かっていた。 あの瞬間が来るまでは ウカワームとともにカブトを追い詰めた古びた神社。 そこに、ガリガリガリッとブーツの踵で地を削る音が響いた。 「あれは、まさか・・・」 「・・・矢車」 カブトが低く呟く。 (矢車・・・!?) その言葉を影山も頭の中で繰り返す。 影山の目に映ったのは、すっかり風貌が変わってしまったが確かにかつての上司だった。 部下たちを見捨てた矢車。 影山もまたそんな矢車を手ひどく裏切った。 以前は兄のように慕っていた、大好きな上司だった。 その反動だったのだろう。見捨てられたショックは大きく、矢車を陥れるZECTの計略に影山は加担した。 (どうして今頃・・・) 混乱する思考を必死に抑え込む。 今は戦闘中だ。 幸いザビーに変身している今の自分は、動揺が顔に現れる心配はないだろう。 少し安堵して、影山は改めて矢車を見た。 矢車の風体は異常だった。 片袖のない黒いロングコートという奇異なナリだけではない。 目が、違う。落ち着きなくさまようその目に生気はまったく感じられない。 かつての矢車の面影は、どこにも残っていなかった。 何を見ているのか。何を考えているのか。 矢車は影山のことなどまったく気にする様子もなく近づいてくる。 「貴様、パーフェクトハーモニーはどうした!」 思わず出てしまった言葉だった。 『パーフェクトハーモニー』 影山ははっとして口をつぐんだ。 (バカげてる・・・!) もう一度パーフェクトハーモニーを奏でよう、と言った矢車の手を払っておきながら、自分は何にこだわっているのだろう。 「もう、パーフェクトもハーモニーもないんだよ・・・」 影山のほうを見向きもせず、矢車は吐き捨てるように言う。 その言葉は影山の心に深く突き刺さった。 →NEXT |
おんだんか |
| 随分と気候がよくなってきた。 春よ、来い! 宿無しの俺たちが待ち望んでた季節だ。 花粉症は辛いけど、寒くて震えているよりはよっぽどいい。 「もっとあったかくなるといいね、兄貴」 それはなにげなく言った言葉だったけど、兄貴は眉をひそめた。 どうしたのかなと思ってると、兄貴がポツリと言った。 「キリバス共和国やバングラデシュが心配だ」 ・・・・・・はい? 「地球の温暖化だ。温暖化が進むと、陸地が水没してしまう危険がある」 そう言って兄貴はハァ 温暖化は分かるよ。 人間として確かに心配だよね。ヤサぐれてても、さすがは兄貴だ。 でも、なんで突然キリバス? なんでバングラデシュ? 兄貴はなにか、特別な思い入れでもあるんだろうか。 『ウルルン』見てた? まあ、いいや。 この寒さから解放されるなら、俺はおおいに地球の温暖化を進めたいぐらいさ。 陸地が水没するより、俺たちが凍死するほうが嫌だもん。 でも兄貴がそんなに心配するなら、俺も地球の温暖化とやらに関心を持ってみようかな。 とにかく、も少し暖かくなったらね。うん。 春よ、来い! |
12.混迷 |
| どこで俺は間違えてしまったのだろう・・・ 想が瞬を駆け抜けて 12.混迷 初めはただ、ザビーに憧れただけだった。 ザビーになってZECTに尽くしたい、人間をワームから守りたい。そんな気持ちから、影山はザビーを受け入れた。 だが三島のくだす命令は、時に冷酷で非道と思われるものさえ含まれていた。 影山の中に残っている道義心が警告を鳴らしたが、あえてそれに目を瞑る。 見捨てられたくない、という強い思いに影山はとらわれていた。 ZECTは簡単に、隊員に見切りをつける。 使えないと思われたら即お払い箱だ。 矢車がシャドウの小隊長を務めていた頃は、誰一人シャドウを追い出されることなどなかった。 もともと選りすぐりの精鋭部隊ではあったが、時にはミスをする者もいる。 自分も何度失敗をしでかしたかしれない、と思い出して影山はひとりで苦笑した。 (そうだ。俺が落ち込んでるとよく矢車・・・さんが励ましてくれて・・・) 矢車が小隊長の頃も隊長になってからも、脱落した隊員はいなかった。 矢車はなにくれとなく部下の面倒を見ていた。 もしかしたらあの頃は、矢車が三島やZECTの幹部から部下たちを守っていたのだろうか。 そんな風に考えてしまうほど、今シャドウの内部はすさんでいた。 『完全調和』など見せかけだけ。 隊員たちはチームメイトを蹴落とし、裏切ることさえ厭わない。 ワームと手を組む三島のやり方がさらにZECTへの疑心と不審を募らせ、自ら辞めていく隊員も後を絶たなかった。 しかもZECTは、あれほど確執のあるカブトを組織に迎え入れた。 カブトである天道は、あっさりとZECTの司令官になってしまったのだ。 (一体どうなってるんだよ) 何かが、間違っている。 しかしいったん動き出した方向を変えることはもうできない。 →NEXT |
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