地獄兄弟は今日も平和

「仮面ライダーカブト」自己満足スピンオフ(笑)! 矢車・影山の地獄兄弟二次小説

悪魔は夜歩く [11]

悪魔は夜歩く
 第11話



別に俺は人間じゃないし、食べなくても生きていけるわけだから働かなくてもいいんだけど。
なんだか、兄貴が意見したそうな顔してるし。
まあ、狼でもちゃんと人間社会に溶け込んでる兄貴から見たら、歯がゆいのかもしれない。

兄貴はどんな風に人間たちの中で過ごしてるのか興味もあって、俺は兄貴の仕事先で働きたい、と頼んでみた。

「・・・いくつか条件がある」
「うん、何?」
しぶしぶながら、俺をZECTに紹介するのを承諾してくれた兄貴。
もちろん兄貴が狼だってことは内緒にしておくし、俺だって職場の人を襲ったりしない。

当たり前だ、と言った後、兄貴が出した条件は。
「矢車想の事は、絶対口にするな。それと、俺の名前を決して呼ぶな」
「え、どうして」
「・・・矢車は、お前より先に俺が目を付けてる。ZECTで極秘に探りを入れてるところだ。お前が騒いで、気付かれたくないんでね」

その言葉に俺はびっくりした。
兄貴のターゲットも、矢車ってことか。

「つまり、矢車に子孫を産ませようとしてるんだよね、兄貴は」
ふんふんと俺が頷くと、唐突に兄貴が固まった。

「だって、狼族は人間と交わって、子孫を残そうとしてるんでしょ。ミシマさんがそう言ってた」
絶滅の危機に瀕している種族の、第一の目的は種の保存。
それは、生き物の本能で・・・。
ミシマさんの話なんてロクに聞いてないけど、たまに役立つこともあるもんだ。

でも兄貴がずっと黙ったまま硬直してるから、何か俺、悪いことでも言っちゃったのか、と心配になる。
もしかして、辛い過去を思い出させてしまったのだろうか。

「兄貴、俺、協力するっ。矢車は兄貴に譲るからさ!」
少しでも兄貴を元気づけてやりたくて。
白夜の国行きフラグが立ちまくりな自分の状況を顧みず、俺は兄貴を励ました。

ミシマさんがターゲットに選ぶのは、自分が気に入った人間だけ。なんせ、あの人サドだから。
思うに、ミシマさんや兄貴のお眼鏡にかなう矢車っていうのは、よっぽどスゴイ人間に違いない。

そんな風に思考を巡らせていると、兄貴はなぜか疲れたように笑って俺を見る。
「矢車は、男だぞ・・・」
「知ってるよ?」
やっと話しかけてくれたと思ったら、短い会話だけで、また兄貴は押し黙ってしまい。
何か言いたげなのに、何も言えない、そんな複雑な苦しそうな表情をしてる。

これはきっと、とんでもなく暗い過去をひきづっているのだろうと推測し、俺は気を利かせて話を変えた。

「ところで、なんで兄貴の事、名前で呼んじゃいけないのさ」
「・・・・・・」
「ねえ、兄貴ってば」
「・・・・・・」
顔を覗き込んでみても、兄貴はむっつり機嫌が悪いというか、なんというか。

「ジローさん」
「呼ぶな」

わずか0.01秒でそう返されたので、聞こえてないわけではないらしい。
兄貴の素っ気無い態度が気になったものの、俺もひとつの心配事が心の中でムクムク大きくなっていた。

(もう、キャッスルには帰れないよなぁ・・・)

ミシマさんの元に戻れば、左遷は確実。
実際、このまま兄貴と一緒に人間に紛れて暮らしていくしか、俺に道はなかった。


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「ETV特集」

9時まで仕事だったので、残業になったらアウトだな、とビクビクしてたんですが・・・。
猛ダッシュで帰宅して、今夜のETV特集「石ノ森章太郎・サイボーグ009を作った男」を観ました!

もう、泣かせる気ですか、N●Kさん。

ヨミ編や天使編、あんなに細かくストーリー紹介してくれて・・・もう観てるだけで、涙・涙。
島本和彦先生も、熱く語ってらっしゃいました(^^)
ハリウッドでの石ノ森作品映画化は、「サイボーグ009」に決まったという話を以前聞いて、それきり進展なかったのに、その布石でしょうかね。

竹宮恵子先生だったかな、「初恋は009」とおっしゃってたのは。
はい、ワタシの初恋も009です。しかも、いまだに現在進行中です(爆)。

小学2年で『相殺(そうさい)』なんて読み方を覚えたのは、009を読んでたためであって、決してワタシが勉強がんばってたせいじゃありません(^^;

今日は、仕事の憂さも忘れて超ハッピー(←単純)v

明日(あ、もう今日か・・・)は仕事休みなので、更新できるかと思います。
拍手押してくださった方、読んでくださる方、ありがとうございます。

↓以下、コメントレスです。
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悪魔は夜歩く [10]

悪魔は夜歩く
 第10話



おかまバーで、のんきに酔いつぶれてしまった男と俺の周囲にはあっという間に人垣ができた。

「瞬ちゃん、ついに彼氏を探し当てたのね!」
「おい、アンタ! ちゃんと慰謝料ぐらい払ってやれよ。かわいそうだろ」
俺へのそんな、無責任極まりない非難の声まであがって。

これ以上店にいたら、またどんな噂が流れるか分かったもんじゃない。
そう思って、男を背負って外へ出たはいいが、泥酔している奴を連れて入れる場所なんて限られている。

おかげで受付嬢には興味本位で見られるし、出る時は俺の上着で顔は隠させたものの、男だというのはバレてるに違いない。
当分、この付近は避けて通ることにしよう。

ヴァンパイアだと判明した男・影山は、なかなか住処を明かそうとしなかった。
どうやって、俺への警戒を解かせるか。
信用させて寝首をかき、ヴァンパイアどもを一網打尽にするための策を考えていると。
「兄貴って呼んでいい?」
まさに、棚から勝手にぼた餅が俺に向かって落ちてきた状態。
少々びっくりしながらも、
「どうぞ、ご自由に」
そう答えると、影山は嬉しそうだった。
俺としても、これからずっと「ジロー」と呼ばれるのは抵抗があったので、好都合かもしれない。

影山の酔いを覚ますために、俺たちは少し夜の街を歩くことにした。
とりとめもない話をしつつ、俺はヴァンパイアの実態を探ることに余念がなかった。
なかなか正体がつかめない魔物と接近できるなど、千載一遇のチャンスだ。

「兄貴は昼間、何してるの?」
「ん、ああ。ZECTにいる」

聞かれるまま、つい口に出してから、しまった、と思った。
しかし影山の方は、特に何の反応も示さない。
矢車想がZECTのヴァンパイアハンターだという情報は、店の連中から得ているはずなのに。
きれいさっぱり忘れているあたり、さすがに100歳を越えると物忘れもひどくなるらしい。

「そう言うお前は、何してるんだ」
「K●Cとかマッ●に行ったり、マン喫とかネカフェで過ごしたり、かな」
「・・・仕事は」
「してない」

眉を顰めて教育的指導をしそうになった俺だが、待て、こいつは人間じゃないんだ、と自分を納得させる。

「してないけど・・・なんかやろうかな、って思ってる。ねぇ、兄貴の職場で俺も働けないかな?」
「何だって?」
いきなり、影山がとんでもないことを言い出した。

「これでも俺、レジ打ちとか商品陳列とか、わりと得意なんだ。レコード店でバイトやってたし」
「・・・CDショップか」
「違うよ。あの頃は、CDなんてなかったもん」

レコードからCDに切り変わった時はカルチャーショックだった、と話す影山は、まさに昭和世代の代表。
いや、ポイントはそこではなく。

「あいにく、ZECTにはレジ打ちも、商品陳列もないんだよ」
「POP書いたりとか、値札付けもできると思う」
「POP・・・」

一瞬、俺の脳裏に田所さんのうさんくさい笑顔が浮かんだ。
地下鉄の構内にベタベタと『ヴァンパイア撲滅運動』のポスターを貼っていた、思い出したくもない記憶がよみがえってくる。

「あ、もしかしてポスター製作とか、あるんだ?」
何をどう、はき違えたのか、影山が俺の顔を覗き込んで嬉しげに言うので。

「まあ、ない事もない気もする・・・が」

この時、肯定とも取れる返事をしてしまったことを、俺はどれほど悔やんだことだろう。


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「キバ」17話

名護さん、走る!

ほんと壊れっぷりがいいですね〜v
ああ、もう矢車さんを彷彿とさせるったら(^^;
名護さんと矢車さんが会話したら、どんなだろうと想像したら、頭痛がした(笑)。

毎度、停滞中ですみません。
拍手押してくださった方、ありがとうございました。

↓遅くなっちゃいましたが、レスです。
なかなかお返事できなくて、申し訳ありませんm(__)m
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悪魔は夜歩く [9]

悪魔は夜歩く
 第9話



「・・・ジロー?」
聞かされた名前に、俺はなんとなく違和感を覚えた。
名前がイメージとそぐわない、っていうか。

ジローってガラじゃないと思うんだけど。
『一郎』とか『太郎』だったら、しっくりするんだけど。

そんな風に思っていると、ジローは、少しだけ外の様子が見えていたカーテンをシャッと開けた。

「あれ・・・? ここ、店の休憩室じゃないの?」
1階ではなく、おそらく4階か5階の高さから見る街の様子。
いつも頭上にあったきらびやかな看板が、ここからだと下にある。

「だから、言っただろ。俺が運んできた、って。・・・どうだ、歩けそう?」
「うん、大丈夫」
たとえ細い三日月でも、月は月。
月の光があれば、俺の体調はいつだって万全。

「じゃ、行くぞ」
ジローは俺を促して、自分の着ていたジャケットを投げて寄こした。
「何」
「出る時に頭から羽織ってろ、それ」

意味が分からないながらも言われた通りにして、俺たちはエレベーターに乗り込む。
背後にはめ込まれた鏡に目を留め、俺は「あっ」と思った。
自分の姿が映ってない。

そうか、俺、ヴァンパイアだから。
鏡に映らないことが知れたら、俺が魔物だと人間にバレてしまう。
ジャケットを頭からひっかぶっていれば、顔は隠せる。ジローは、それは分かってて・・・。

フロントで、「休憩3時間」とか言いながら、ジローが金を払っている。
どうやら、ここは有料の休憩所だったらしい。
変だな。別に、飲み食いしたわけじゃないのに。

こちらをチラチラ見る受付嬢から顔を隠すようにして、俺はジャケットを目深にかぶった。

「・・・金、大丈夫?」
ジローが何枚かの札を財布から取り出すのを見たので。
休憩所の建物を出たところで、心配になって俺はジローに尋ねてみた。

「お前が気にすることじゃないさ」
ふっと見せた優しい笑顔。

あれ。この笑顔、どこかで見たような。

ヤケになって落書きしたもんだから、ほとんど元の顔の原型を留めてない、俺のターゲットの写真。
矢車の事がなんとなく頭に浮かんだけど、「まさかね」と思い直して首を横にブンブン振る。

「お前の住処は? いつもどこにいるんだ」
送って行ってやる、というジロー。
「ありがと。でもいいよ、俺には翼があるから」

なんだか、ジローってカッコいいな。
大人の男って感じがする。
俺は今年で105歳になるけど、まだまだ未熟で。
いつかは俺も、ジローみたいな大人の男になれるんだろうか。

「あのさ、ジローの事、『兄貴』って呼んでいい?」
俺がそう言うと、ジローは少し驚いたようで。

それでも、「ああ」と了承してくれたことが、俺にはとても嬉しかった。


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※「兄貴って呼んでいい?」は、『想が瞬を〜』でも使ったような使わないような・・・(笑)。

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悪魔は夜歩く

悪魔は夜歩く
 第8話



さんざん好き勝手に騒いでおきながら、あっけなくその若い男は酔いつぶれてしまった。
ドサリともたれかかってくる体を仕方なく支えてやって、俺は店のママに目を移す。

「この男、随分若いようだけど・・・?」
俺の言わんとしていることが、ママにも分かったのだろう。
彼女(?)は、必死になって弁解した。
「未成年者を店に入れたりはしないワよ! 瞬ちゃん、これでもハタチだって言ってたから・・・」

「20歳・・・? ふぅん」
別に俺は、この店が未成年者飲酒禁止法に違反して、営業停止処分を受けようが知ったことではない。
ただこの男について、できるだけ多くの情報が欲しいだけだ。

「念のため、調べておきたい。彼について、知ってることを話してくれないかな」
俺はそう告げて、極上の、けれど有無を言わせない笑みをママに向けた。

   *    *

「・・・うー・・・んん?」
呻きながら、重そうに持ち上がる両の瞼。

「起きたか?」
ソファから立ち上がり、俺は男が横たわるベッドに近づいた。もちろん、ある程度の距離は確保して。
ZECTガンも、悟られないように服の袖に隠し持っている。
きっちりしたスーツを着ていてはできない芸当だが、今のように私服なら容易い。

「あれ・・・ここは・・・?」
「休憩施設。俺が運んできた。店で寝てたんじゃ、迷惑になるからな」
自分がいる広いダブルベッドと、その上に据えられた豪華な明かりを、この男は大層気に入ったようで。
きょろきょろと物珍しげに部屋を見回すので、俺はつい、からかってみたくなった。

「向こうに、浴室テレビやジェットバスもある」
くいと首を振って、そちらの方を示してやると。
「スゴ・・・、風呂場まであるんだ!」

演技ではなく、純粋にはしゃいでいる。
どうやら、これは天然らしい。

「影山瞬。それが、きみの名前・・・?」
「あ・・・うん」
とにかく、話を進めよう。

まだ完全に覚醒してはいない様子だが、影山はもそもそとベッドから起き上がった。
わずかに開いたカーテンから、爪ほどに細くなった三日月が覗く。

「店主から大体話は聞いたが・・・なぜ、矢車を探してたんだ?」
今度は、あえて自分が本人だとは告げない。
他人事のように話してみる。

「えーっと・・・ミシマさんが・・・次のターゲットは矢車だって言って、写真を俺に渡すから」
「ミシマ・・・?」
「俺の上司なんだけど、いつだって身勝手なんだよ、あの人。失敗したら、白夜の国に左遷だとか言うし。自分はこっそり人間のライフエナジーをサプリにして飲んでるくせに、部下には厳しいんだ。ほんと、ズルイったらさ」

そう言って、こちらが聞いていないことまで延々と語り出した。
日頃からたまっていた上司への不満を、ここぞとばかりに吐き出すタイプか。
それにしても、こいつが、俺を狙うヴァンパイアだったとは。

「じゃあさ、あんたの事も教えてよ。あんた、人間じゃないんだろ?」
「・・・え」
目の前のヴァンパイアが無邪気に問いかける。
俺を矢車だと認識していないどころか、なぜかは知らないが、人間だとも思われていない。

ならば、それはそれで好都合と、俺はでたらめをでっちあげた。

「よく分かったな。俺は狼・・・ウルフ族だ」
「ウルフ族・・・?皆殺しにされて、もう生き残ってないかと思った」
「ああ。俺が、最後のひとりさ」
我ながら、こんな作り話がスラスラ出てくる自分の才能が恐ろしい。

影山の方は、俺の話を頭から信じているのだろう。
苦労したんだね、と同情の言葉まで出されては、俺としても苦笑するしかなかった。

「あんたの名前は? なんて呼べばいいの?」
「・・・・・・」
さすがに、こう尋ねられた時は、一瞬戸惑ったものの。

「ジロー、だ」
ものの数秒で回答する俺は、嘘をつくことにかけても完璧かもしれなかった。


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※ちょっと、冗談が過ぎたかも・・・です。イロイロな意味で(^^;

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雑記:今日は何の日?

あれ、今日って水曜日だっけ・・・。

そういえば、うっちいのバースデーもこの前だったんですね。
あー、何も記念小説書けなかった・・・(--;
遅ればせながら、「誕生日おめでとう!」と心の中で叫んでおこう(笑)。

拍手押してくださる方、コメントくださる方、読んでくださる方、本当にありがとうございます。
いつも励みになってますm(__)m

↓以下、拍手レスです。
遅くなってしまって、スミマセン。
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悪魔は夜歩く [7]

悪魔は夜歩く
 第7話



毎夜毎夜一生懸命捜してるのに、矢車は見つからなくて。
『ZECT』という手がかりを頼りに、タウンページを見たけど載ってないし。
そもそもZECTの職種って何? 職業名が分からないと調べられないのが、タウンページの難点で。
104の番号案内でも、電話番号を教えてくれなかった。

ZECTの所在地さえつかめないようじゃ、もうお手上げ。

明後日には、新月。
ミシマさんが言うところの「タイムプレイ」リミットまで、あと2日。
新月までに矢車のライフエナジーをいただかないと、罰を受けなきゃならない。
「俺は俺に罰を与える」なんて酔狂なマネはしないけど、ミシマさんが嬉々として俺になんらかの罰を与えるのが、まあ、いつもの事。

コンクリ詰めになったら海の中で眠ってのんびりしよう、行楽地はどうせどこも混んでるし、と大型連休の予定を立ててたのに、ミシマさんが急に、「今度失敗したら、白夜の国に行け」とか言い出した。

「白夜・・・? 夜が来ない、ってことですか?」
おそるおそる尋ねる俺に、
「夏季は、そうだ」
ミシマさんは眼鏡の奥の表情を変えることなく、あっさりと答える。

夜の暗闇は、俺たちヴァンパイアに活力をくれる大切な時間だ。
それを奪われる、ということはつまり・・・。

心の中で、「オニ、アクマ」とののしってみるものの、口に出す勇気は俺にはなかった。

気落ちしていつもの店に行くと、なんか「カルーア・ミルク」というのがおいしそうだったもんだから。
常連客たちに勧められるまま、それを飲んだのがいけなかったのかもしれない。

「お前、俺のことを知ってるのか?」
店の客のひとりが、そんな風に俺に声を掛けてきて。
誰だ、と思いながら、俺はその男の顔を見つめた。

目が4つ・・・鼻が2つ・・・口も2つある。
ほんとにこの男、人間だろうか。

「相当酔ってるな。これ、何本に見える?」
片手を広げて男がそう言うので、少しムッとしたが、俺は正直に答えてやる。
「・・・10本」

すると、呆れたように男は溜息をついた。
まるで俺が酔っているがための幻覚だと言いたげな素振りが、癪にさわる。

ヴァンパイアとは別の種族の魔物か。
絶対、こいつ人間じゃない。
他の種族も生き残りがいるとは聞いていたけれど、こんな形で会えるとは思わなかった。

自分が矢車だと主張するところがまた、うさんくささ100%。
ラフなジャケットとジーンズに、お洒落なペンダントまで付けてる目の前の男が矢車だとは、信じがたい。
本物の矢車は、スーツを着ているはず。

「あんた・・・どこの種族だよ? 俺は、ヴァンパイアの・・・」
問い詰めてやろうと息巻いてたら、急に脚から力が抜けてしまった。
目の前が真っ暗になる。

「おい、大丈夫か!?」
白々しく俺に呼びかける男の声が遠くで響いた。

やっぱり、闇の中は心地いい。

・・・どうか、白夜の国に飛ばされたりしませんように。


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やりすぎという感じも・・・(^^;


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