地獄兄弟は今日も平和

「仮面ライダーカブト」自己満足スピンオフ(笑)! 矢車・影山の地獄兄弟二次小説

赤い白夜 [4]

赤い白夜
 [4]



怪我をさせないように、と思っても、反撃しないことには埒があかない。
「・・・お前、工具屋にいなかったか?」
レンチやスパナをポケットから取り出して向かってくる男のみぞおちに、矢車は尋ねながら蹴りを入れた。

「相棒、先に戻ってろ!エミールに知らせて、こいつらの家族を保護してもらえ。戻ってきた行方不明者たちは、ワームだと言ってな」
影山に襲い掛かろうとする人間たちを遮り、矢車は退路を開いてやる。

「待ってよ、兄貴は?」
「すぐ追いつく。普通の人間くらい、俺ひとりでじゅう・・・ぶ」
しかし矢車の言葉はそこで途切れた。一発の銃声とともに。

「兄貴っ!?」

駆け寄ろうとした影山の足は、人間たちの間を縫うように姿を見せた別の敵を前にして、止まってしまった。

顔がこわばり、体が凍りつく。
(どうして・・・)
現れた2人が人間の姿をしていても人間でないことは、影山が一番よく知っていた。

「・・・人間の武器も、なかなか役に立つもんだね」
「変身しなきゃ、こいつらもただの人間だからな」
「あはは、違いないや」
発砲したばかりのピストルのトリガーに指を入れてくるくる回しながら、そいつは無邪気に笑った。

「うわー、すごい血。もう死んだかな」
そう言って、倒れた矢車の顔を覗き込む。
身につけた白いタンクトップで吸い切れなかった赤い液体が、地面に染み出していた。

「逃・・・げろ、相・・・棒」
途切れ途切れに漏れる矢車の声。

「まだ生きてるよ、こいつ」
チェッと舌打ちして、矢車の頭を靴の底でぐりぐりと踏みつける。
まさに影山の顔と姿で。

「やめ・・・ろ、兄貴に・・・」
兄貴に触るな、と叫びたいのに、影山の喉からは掠れた声しか出ない。

矢車を撃ったのは、他ならぬ「自分」だ。
擬態したワームだと分かってはいるが、影山の脳裏に以前矢車を傷つけてしまった光景がオーバーラップする。

「ほっとけ。どうせ、そいつはもうじき死ぬさ」
擬態の影山を諌めるのは、矢車と同じ容姿を持ったものだった。

「・・・相・・・棒」
本物の矢車がわずかに顔を上げる。
行け、とその瞳が強く影山に訴えていた。

兄貴を置いて行けない、と首を振る影山を、矢車の鋭い視線が刺す。
「俺の・・・ため・・・」
その後の言葉は声にはならなかったが、唇はこう動いていた。

生きろ、と。


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赤い白夜 [3]

赤い白夜
 [3]



影山だけに感知できるのは、以前ワーム化した所以なのかもしれない。
その記憶を掘り起こすのは気がひけるが、仕方がない、と矢車は割り切った。

「どんな感じだ、何が幻影を作り出してる?」
「・・・よく分かんないけど。音・・・が、聞こえる」
「音?どこから?」
「・・・前に、日本で聞いた音だ」
怖いよ兄貴、と聞き取れないほどの小さな声で呟く。

矢車は不安げな影山の肩に腕を回すと、自分の頭を影山の頭にコツンとぶつけた。

「お前はもうワームじゃない。心配することなど何もないだろ」
「うん・・・」
「絶対に、お前を死なせない」
「うん・・・」

安心させようとする矢車の声が心にしみこんでいくが、少し違う、と影山は思った。
自分が怖いのは、自分の身に降りかかる危険だけではないのだ。

しばらくそのままで影山が落ち着くのを待ってから、矢車はもう一度尋ねた。
「音というのは、例の超音波か。どこから聞こえるんだ?」

以前の事件の時、人間の子供たちの意識を操った「音」。
同様のノウハウで、自分たちの五感を一時的に惑わしている可能性も考えられる。
このエリアのみという限定なら、さほど大掛かりな仕掛けではあるまい。

「・・・向こうの茂みの中と、並木道の菩提樹の後ろ。それから噴水の近くの石畳。・・・3ヶ所だ」
「なるほど」

音波の発信装置かと当たりを付け、矢車は茂みに向けてZECTガンを撃ち込む。
対象物が見えないため、手当たり次第に。

手ごたえは感じられなかったものの、ふっと景色が翳り。
次いで、映写機がブレた時のような像を結んで、噴水も並木道も消えた。代わりに現れたのは、足元の大地にぽっかり穿たれたクレーター。

「大当たりだ」
矢車は影山の背中をポンと叩いてやる。

おそらく装置の一つが破壊され、そこにあるものが視覚化したのだろう。

「行くぜ、相棒」
「え、どこへ」
てっきり跡地に乗り込むのかと思っていたのに、矢車は踵を返して影山を促す。

「ワームが噛んでいることは分かった。あとは、ボーヒネン・フォームに任せればいい。この国のワームは、この国の奴らが何とかするさ」
「で、でも」

事があった場合のためにと、ライダーベルトは身に付けている。
戦闘になることも視野に入れていたが、影山が恐れているのなら、無理に踏み込みたくはなかった。

そうして歩き出す2人の前に、人間が10人ばかり近づいてきた。
ノルウェー人だ。
突然現れた隕石の窪地に驚いた様子もなく、おのおのがバットや鉄パイプを手に持ち矢車たちを凝視して。

「一応ここは、立ち入り禁止区画になってるんじゃなかったか?」
誰に言うでもなく、矢車は声に出してみるが。

「兄貴、こいつら!」
問答無用で、木製バットが振り下ろされる。
それを軽く避けて、影山が叫んだ。

ワームの擬態か、操られただけの人間なのか。

鉄パイプで殴りかかる若い女の手首を素早く掴みながら、
「女がこんなもの振り回すな」
矢車は当て身を食らわせる。

「・・・素人だな、ワームじゃない。行方不明になった人間だろう」
「てことは、傷つけちゃマズイよね」
背中合わせで、矢車と影山はそんな会話を交わす。

武器を持った暴力的な人間たちを相手に、こちらは変身せず素手で戦うしかないようだ。


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赤い白夜 [2]

赤い白夜
 [2]



オスロで暮らすようになってから、フログネル公園には何度も足を運んでいる。
ワーム調査の名目で訪れたのは、最初の1度きり。
緑が多く、のんびりくつろげるこの公園は、矢車と影山の憩いの場だった。

ノルウェーの彫刻家が作品を寄贈したという園内には、人間の彫像がたくさん立ち並ぶ。
その中には、輪廻や人生の縮図を表現した奇妙なもの、骸骨のブロンズ像もあり、そういった類を影山はあまり好きではなかった。

「お前にそっくりだ」
有名な「おこりんぼう」の像を前にして、矢車はそんな風に影山をからかう。

「・・・やめてよ。今日は遊びにきたんじゃないだろ、兄貴」
抗議してみるものの、影山の今の問題は、手に持った具沢山のサンドイッチをいかにこぼさずに食べられるか、だ。

「昼飯食ったばかりなのに、よくそんなに入るな」
「まーね、育ち盛りだもん」

プリプリの小エビを満足そうに味わいながら、影山はふた口めにかぶりついた。
果たして二十一歳が育ち盛りかどうかはともかく、影山は本当によく食べる。

最近少しふっくらしてきたんじゃないかと周囲に言われ、そのことを気にしているらしい相棒を、矢車はまじまじと見つめてみる。
いつも一緒にいるので、太った痩せたと言われても変化など分からない。

しかし相棒の食べっぷりから思うに、周りの評価もあながち外れてはいなさそうだ。

「・・・あれ?隕石跡地って、ここら辺だよね。もしかして通り過ぎちゃった?」
「いや、この辺りで間違いない」

一般人は立ち入り禁止となっている区画。
隕石にえぐられた跡地は、復興の手が入らないまま、ワームの遺物としてそこにあるはずだったのだが。
2人の目の前に広がるのは、美しい噴水と観光客が行き交う並木道で。

トマトソースのついた指をペロッと舐めて首をかしげる影山に、矢車も同意を示した後、
「シャツにケチャップ付いてるぞ」
と付け加える。

「げっ、ホントだ!やばっ、シミになっちゃうよ、これ」
店からもらった紙ナプキンで慌てて拭き取っても、赤黒い跡が影山のタンクトップにくっきり残ってしまった。

「よかったじゃないか。ちょうど赤い服で」
「よくないっ。しっかり目立つじゃんか!」

水で洗い落とそうと影山は噴水に手を伸ばし、そしてふいに顔をしかめた。

「どうした?」
相棒の不可思議な様子に、矢車はいち早く気付く。

「・・・これ、幻だ。噴水もみんな」
「幻影・・・?」
すぐさま矢車も水に手を入れてみるが、感じるのはひんやりとした心地よさだけ。
この感覚まで偽りだとは思えなかった。

けれど、影山は確信したように続ける。
「ここに、隕石の爪跡は確かにあるよ。でも、普通の人には見えないんだ、多分」
「・・・お前には見えるのか?」
そう矢車に尋ねられ、影山は首を横に振った。

「俺にも見えない。でも何か感じる。・・・兄貴は?」
「何も、感じない」
今度は矢車が首を振る。

「だが、お前があるというのなら、あるんだろう」
自分の半身とも言える相棒がそう言うのなら。

己の感覚で確かめることができないとしても、影山が言うのであれば、それは矢車にとって充分信じるに足るものだから。


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YouTube三昧

久々にYouTubeチェックしたら、「THE NEXT]のMADが結構あがってて、見まくってしまった(^^;
そういえば、DVD出てからもう2ヶ月だもんなぁ、早いものです。

ニコ動の方がいいという人も多いけど、海外からの作品が見れる点で、YouTubeはポイント高いですよv


えー・・・、書き始めた新連載は、ここしばらくパラレルが続いたので、本編に立ち返ろうと思いまして。
でも、白夜の国にいること自体、既にパラレル・・・(苦笑)。
ちょっと痛い話になりそうですが、ハッピーエンドを目指します(^^;

拍手、ありがとうございました。
↓以下、レスです。
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赤い白夜 [1]

※キリ番64000を踏まれたO様のリクで、『兄貴に擬態したワームが影山を襲う』です。
中編くらいになるかと。リクエスト、ありがとうございました(^^)




大切な人のために死ぬことは、勇気と覚悟がいるけれど

大切な人のために生きることは、時に、それ以上の覚悟が必要で

きっと、それ以上に・・・尊いことだと思う


赤い白夜
 [1]



(ちくしょ・・・早く、ここから出なきゃ)
広大なフログネル公園を、影山は息を切らせて走った。
夏も近くなり、次第に短くなってきたノルウェーの夜。

(早くしないと、兄貴が・・・)

気持ちが焦れば焦るほど、迷路の奥深くに入り込んでしまうかのようだ。
滲んできた額の汗をグイと片袖のコートで拭うと、影山は出口を求めて目を眇めた。

薄墨を流したような公園の中は、どこまで走っても果てがない。
もともと広い敷地ではあるが、周囲の景色がまったく変わらないのはおかしい。

ある種の結界が張られた公園内は、他の者が入ることはもちろん、中から外へ出ることも困難らしい。

「・・・出られないって、分かってるんだろ?」
聞き慣れた声が、すぐ傍の木立から聞こえ、影山は息を飲んだ。

「・・・兄貴・・・」

「一度は俺たちの仲間になったお前なら、理解できると思ったんだがな」
影山に哀れみの目を向けると、残念そうにふぅと息をつく。

「今からでも遅くないぜ、相棒?」

   *   *

以前ノルウェーで起きたワームの騒動は治まり、矢車と影山はその件から手を引いたはずだった。
最近になって、ワーム絡みと思われる事件が勃発するまでは。

ノルウェーの対ワーム研究機関『ボーヒネン・フォーム』が2人にコンタクトを取ってきたのは、一週間前のこと。
オスロの観光名所フログネル公園で、何人もの人間が行方不明になっているという報せを持って、研究所の職員が協力を要請にやって来た。

「・・・で、なんで俺たちにそんな話を聞かせるんだ。エミール」
顔見知りの男ではあったが、馴れ合いはごめんだとばかりに、矢車は眉を顰める。
「悪いけど、警察の仕事なんじゃない?」
と影山も、つれない返事で。

いくらかこの風変わりな日本人たちと親交があり、彼らの性格上すんなり引き受けてはくれまいと承知していたため、エミールも簡単には引き下がらない。

「それが、普通の行方不明じゃないんですよ。何日かすると、家に戻ってくるんですが・・・」
「なら、問題ないだろうが」
「そうそう」

「いや、だから。それが変なんですって!」
どことなく加賀美を思い起こさせる熱血漢のノルウェー人は、懸命に説明を始めた。
「彼らの家族たちは皆、戻ってきたのは別人だって主張してるんです。姿は同じでも、どこか違う、と」

「・・・ワームの擬態だ、と言いたいのか」
「そうじゃないと言い切れますか?」
反対に問い詰められ、矢車はますます苦い顔をした。

確かに。
ワームは根絶したわけではなく、日本にもこのノルウェーにも生き残っているものはいる。
息を潜めて反撃の機を窺っているのか、あるいは平和的に共存することを受け入れたのか。

しかし、どうやら後者の可能性は低い。

「フログネル公園ていえば・・・。前に調査した時は、血痕が見つかっただけで、何も出てこなかったんだよね、兄貴」
「・・・ああ」
話に乗りかけている相棒の様子に、矢車は溜息をついた。

いつになっても、ワームと自分たちを結びつける運命の鎖は解き放てないのだろうか。


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悪魔は夜歩く [14]

悪魔は夜歩く
 第14話



周囲および幹部の協力を取りつけ、俺は影山瞬をZECTへ入隊させた。
当面は訓練生の扱いとして。
しかし影山の配属先が田所班に決まったことで、俺の気はとてつもなく重たくなっていた。

「影山といいます。これからよろしくお願いします!」
俺のどんよりした気持ちとは正反対に、影山は明るく田所さんに挨拶をする。

普通なら、魔物だと分かっている相手に対して、あえて素知らぬ振りを通すだろう。
しかし、この人は普通ではなかった。

「そうか! お前が、あの矢車想を狙っているという、噂のヴァンパイア・影山瞬か」
「えっ?」
いきなりの爆弾発言に影山も驚いたらしい。あたふたと俺と田所さんの顔を交互に見る。
「いや、心配するな。お前の正体は、俺たちしか知らないから。なぁ、ジロー?」
「・・・ええ」
その名で呼ばないで欲しいと頼んでおいたのだが、やはり無駄だったようだ。

「実はな、俺も魔物なんだ。フランケンという」
また突拍子もない嘘を言い出す田所さんに、
「あ、どうりで・・・。人間にしてはどこかヘンだと思いましたよ」
と素直に納得する影山。

「そ、そうだろう」
"変人"の烙印を押された田所さんの微妙な反応がおかしくて、俺は笑いをこらえるのに必死だった。

そこへ、折りしも次の犠牲者が。
「よぉ、ヒロシ!」
「誰が、ヒロシですか」
田所さんに呼び止められた加賀美が、不思議そうな顔で近寄ってくる。

「こいつはヒロシ、もとい加賀美新だ。俺たちと違って人間だが、良き理解者であり友人でもある」
加賀美に有無を言わせず、背をバンバンと叩き、そう言って影山に紹介する。

加賀美にも大体の説明はしてあるので、なんとか状況を理解し、話を合わせてくれたものの。
純粋誠実な部下まで嘘に巻き込んでしまったことに、俺は心が痛んだ。

「うれしいな。異種族とはいえ"仲間たち"がこんなにいたなんて、思いもよらなかった」
「そうともさ!」
田所さんと影山はなにやら意気投合して盛り上がっている。

2人から少し距離を置き、俺は加賀美を呼び寄せると、そっと耳打ちした。
「すまないな。こんな茶番に付き合わせて」
「そんな、矢車さんが謝ることじゃ」
ふいに本名を口にした加賀美に、俺はシッ!と指を立てる。影山に聞かれたら、まずい。

「えーと、今はジローさんでしたっけ」
「・・・その名も呼ばないでくれ、できれば」
ヒソヒソと加賀美とそんなやり取りを交わす。

「で、"矢車想"のことは、影山さんにはどう言ってあるんですか?」
「ああ、それは・・・」
説明しかけた俺の耳に、田所さんの声が飛び込んできた。

「驚くなよ、何を隠そう、矢車も魔族なんだ。王家を継ぐために、人間のフリをして、人間界に修行に来ているらしい」

この言葉に、影山はもとより加賀美も目を丸くする。

・・・打ち合わせと若干違う。脚色過多だ。
誰が、怪物ランドの王子だ。

ヴァンパイア、オオカミ男ときて、フランケン。
影山を懐柔するためとはいえ、とんでもなく膨らむデタラメに、俺は深い溜息をついた。


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re-birth

※久々にお題SSを。
設定としては、映画版のその後です。映画には影山出てきませんが、そこは妄想ということで(^^;
「refraction」や別館の「海に〜」とちょっとシンクロしてます。

→お題一覧はコチラ



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矢車さんの妹

またもやお久しぶりになってしまい、すみません<(__)>

以前ご紹介したナデガタサーカス様ですが、今のトップ絵が『矢車さんの妹』になってまして・・・。
いや、思わぬところで「矢車さん」の名前を見かけると、それだけでいまだにトキメいてしまったワタシでした。

拍手押してくださった方、ありがとうございます。
励みになりました、本当に(^^)

明日か明後日に、もういっちょ更新します。

悪魔は夜歩く [13]

悪魔は夜歩く
 第13話



兄貴に紹介してもらい、その日のうちに俺は住むところが見つかった。
思うに、兄貴はZECTという組織の中で強い立場であるに違いない。

「こんな時間に入寮なんて無理です!」と電話の向こうで訴える事務員さんの悲痛な叫びが、隣で聞いてた俺の耳にも届いたけど。
兄貴が「そういえば、先月の寮費のことだけど」と、何ごとかを小さく呟いた後、「OKだよね?」の一言で、全てが決まってしまった。
さすがは、兄貴だ。

「仕事に就けるように段取りするから、それまで大人しくしてろよ」
「うん!」
「絶対に騒ぎは起こすなよ」
「分かってる」
「社外の人間を泊めるのは、原則禁止」
「社内の人なら、いいんだ?」

俺がそう聞くと、兄貴はやや引きつった表情で。
家がないらしい兄貴を泊めようと思ったのに、俺の申し出は丁重に断られた。

細い三日月に向かうように、車を走らせ去っていく兄貴。
手を振って一応見送る様子を見せてから、俺は自らの黒い翼を広げた。

「じゃ、行こうかな」
なんとなくワクワクする気持ちで、自然と口元に笑みが浮かぶ。

空からなら、気付かれずに兄貴の車を追うことができるだろう。

  *    *

15分ほどして、兄貴の車が停まった先は、都内でも有数の高級賃貸マンション。
まさかここに住んでるのかと半信半疑ながらも、俺は地上に降りて尾行を続行する。

こういう事もあろうかと用意しておいた変装用セットが役に立つ時が来た。
黒いサングラスと口元がすっぽり隠せるマスク、さらに帽子と全身を覆うロングコートでコーディネートはばっちり。

兄貴がエレベータを降りたフロアを確認し、俺は非常階段を上がっていった。
しんどいけど、この手のシチュエーションで非常階段を使うのはお約束だし。

「・・・って、どの部屋だよ」
ゼイゼイと動悸・息切れを抑えつつ、俺はズラッと並んだいくつものドアを見て肩を落とす。
試しにひとつひとつドアに耳をくっつけてみたが、こんなマンションじゃ室内の音が外に漏れるはずもない。

「表札ぐらい出せばいいのにさ」
ブツブツ一人で文句を言ってから、あれ、と思った。

そういえば、兄貴の名字って、何だっけ?

どちらにしても、今日のところは出直すしかなさそうだ。
マンションとフロアが分かっただけで充分。
あとは地道な聞き込み捜査で、なんとかなるだろう。

事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだから。


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梅雨入りです

会社に傘を持っていったら、帰りにはなくなってた・・・ショック!
おかげで濡れて帰りましたよ。
まー、コンビニで買ったビニール傘だけど(--;

ゴーオンの徳山兄貴の出演は、やっぱり喜んで受け入れなきゃですね(^^;
色々ご意見いただけて嬉しかったかったですv
フクザツな思いは、ワタシだけじゃないですもんね、うん。

今回の「悪魔は〜」のジローさんのネタは、さすがに古すぎたかと反省しております(^^;

拍手ありがとうございました。
読んでくださるすべての方に感謝しますm(__)m

↓以下、レスです。
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悪魔は夜歩く [12]

悪魔は夜歩く
 第12話



頭のネジが2、3本抜け落ちているのかもしれないヴァンパイアを、俺はZECTに入隊させることにした。
ミシマという上司からパワハラを受けるから、住処にも戻りたくない、というので、仕方なくZECTの入寮手続きまで取ってやって。
もちろん、俺の狙いはヴァンパイアの殲滅。
影山から情報を引き出して、いっきに魔物どもをつぶす算段だった。

「・・・レオ●レスってさ、キッチンが狭いんだよね」
寮のマンションへ連れて行くと、影山がそんな事を言う。
「そうなのか?」
「そう。あれ、兄貴もここに住んでるんじゃないの?」

尋ねられて、俺は言葉に詰まった。
まさか仮にも敵に、自分のマンションは教えられない。ちなみに、レ●パレスではない。

「いや、俺は特に住居は決まってないんだ。異動が多くて」
居場所を教えろと言われないための逃げ口上は、
「あ、ごめん・・・。兄貴がネカフェ難民だとは思わなかったから」
と、おかしな方向で理解されたらしい。

ここまで送ってきたのは俺の車だということも、きっと影山の頭から抜け落ちているのだろう。
せめて、"ホテル住まい"ぐらいに思って欲しかったんだが、まあどちらでもいい。

「俺が来るまで、数日おとなしくしてろ。絶対に人間は襲うなよ」
念を押してから、影山に部屋の鍵を渡してやる。

もう夜も遅い。
早々に引き上げて、これからの手はずを整えないと。

俺の苦労も知らず、「デ●ーズもコーヒー1杯で一晩いられるよ」と、笑顔で手を振る影山。
まるで笑っているかのような細い月を恨みがましく見据えながら、俺は車を走らせた。

  *    *

ほとんど睡眠も取れないままの出勤。
体のダルさは残るものの、そうも言っていられなかった。

まず、影山をZECTに入れるための根回しに時間と労力を割いた。
影山がヴァンパイアである事を報告し、連絡、相談。いわゆる「ホウレンソウ」を終えた後、俺の策略を説明し、了承を得る。
召集された緊急会議では、幹部の何人かがゴルフで来られなかったりもしたが、ともあれ俺の思惑通りに事が運んだ。

一区切りついて、ふぅと息をつく俺に、
「お疲れさん。愛情1本だ」
と、田所さんがオロ●ミンCを差し出す。

「どうも」
一応礼を言って受け取ったけれど。
それはオ●Cではなくチ●ビタの宣伝文句だという以前に、田所さんからの愛だということに絶望した。

「今日の決議の件だが・・・、ヴァンパイアはお前が矢車だと気付いていないわけか」
「ええ」
いつものごとく、会議中ノートにパラパラマンガを必死に描いていたこの人なのに、耳は働かせていたらしい。

「影山とかいう奴は、お前の事どう呼んでるんだ?名無しじゃないだろ」
「・・・"兄貴"と呼ばれてますよ」
「任侠か」
「いえ、そういうわけでは」

いい加減くだらない会話は終わりにしたいと思っても、田所さんはなぜかしつこく食い下がる。
会議でも俺が微妙にはぐらかした部分をわざわざ蒸し返してくるあたり、実は意外にも鋭い洞察力を持っているのではないだろうか。

「つまり、言いたくないような名前を名乗ったんだな」
違うか、矢車?と疑問形ではあっても、田所さんの顔は確信に満ちていて。
そこまで察しているのなら、隠しても意味がない。

「もののはずみで、"ジロー"と・・・」
笑いたければ笑えばいいと諦め、俺はそう明かした。

「そうか・・・あの人の名前か・・・」
すると、田所さんは感無量という表情で遠くを見つめる。

「俺の尊敬する人だ。コメディアンとしても俳優としても歌手としても、才能があって」
「・・・はあ」
「よし、俺とお前で、"コ●ト56号"というのはどうだ?」
「・・・訴えられます」

田所さんがどこのジローの事を考えているのか、俺はようやく分かった。
そして分かってしまった自分自身にもまた、めまいを覚えずにいられなかった。


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「キバ」19話

名護さん・・・弱い(--;

キバは、すっかり名護さんを追っかけるようになってしまった(笑)。
猫のように抱えられる男2人っていうのも、なんだかな。

ゴーオンは、観れませんでした〜(泣)。
7:30起きは、ワタシには高い壁だった・・・。キバも半分寝ながら見てるくらいだし(^^;

やー、サイトで写真だけ見ましたが、徳山さんゴールドだから金髪なのね(←違)。
でもなんか、徳山さんのヒーローものは、見るのが切ないです。
普通のドラマだったらいいんですけどね。
どうしても、まだ地獄兄弟を引きずってます、自分・・・。

拍手押してくださった方、ありがとうございました。
本当は、週2〜3回は更新したいのに〜。
どんどん地獄兄弟の事を語れる人が減っていく中、今更新しなくていつするんだよ、って感じですが。
よし、気合、気合!

↓以下、レスです。
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いろいろなジャンルでやってます。
やりすぎという感じも・・・(^^;


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