兄弟のつぶやき

地獄の豆腐

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兄のつぶやき


相棒が「麻婆豆腐が食べたい」とうるさい。
『弟味噌』は飽きたと言うので『兄貴塩』をやったのだが、カップ麺はもう嫌だとほざく。
まったく、贅沢な奴だ。

少し前、天道と豆腐料理対決をするつもりで俺たちは寒風吹きすさぶ中、奴を待っていた。
材料費はすべて天道持ちにして、それを晩飯に当てようという計画だったのに・・・奴は来なかった。
俺たちは見事にすっぽかされ、晩飯にもありつけなかった。最大の地獄だ・・・。

あれ以来、おあずけ状態の相棒はもう限界なんだろう。
俺は深い深いため息をついた後、馴染みの店でツケで豆腐を調達し、地獄の豆腐料理を相棒にふるまってやった。

「兄貴、これって・・・」
影山はまだ不満気だ。
極上の食材を使ってやった俺の心配りもこいつには通じないのか。

今の俺には、豆腐は眩しすぎる。
豆腐にかけられた黒い醤油は、真っ白い生地をどす黒く染めている。

・・・麻婆豆腐だと?

もう台所も材料費もないんだよ。
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