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ダブル★アクション

新ダブル★アクション(2)

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vol.2 俺に釣られてみる?


 ごく普通の買い物客を装い、レジに進もうとした俺は、思わずワームと目が合ってしまった。ぶっちゃけ、どこが目なんだか分からないが、明らかに俺の方をじっと見ている雰囲気。

 俺がライダーだと知ってるんだろうか。
 襲われたら「人違いですよ」と言って逃げよう、なんて考えていたら、俺の中から声がした。

『俺が相手になってやる。代われ、影山』
「早く帰りたいんだけどなぁ……」

 ブツブツ呟く俺の独り言は無視の方向で、矢車さんは有無を言わさず体を取って代わる。

 ポケットからさりげなく白い手袋を取り出し、キュッとはめる「俺」。ちなみに、俺はポケットに手袋を仕込んでた覚えはない。
 さらに、「俺」は毎日仕事に持っていく通勤バッグから、短めのマントを取り出してバサリと羽織った。

 最近バッグがかさばると思ってたが、あんなものが入っていたとは盲点だった。仕事の書類などチェックしたためしがないので、バッグを開けることもないから。

 奇術師か、マジシャンみたいにも見えるその格好に、周りにいた買い物客のオバサンたちが引いた。それがヤンママ(死語?)ならよかったものの、さすがに昭和枯れススキ世代には受けなかったようだ。

「最近の若い男の子は、情けないわねぇ……」
 と、おばちゃん同士でヒソヒソ話。

『このカッコ、悪目立ちしてるよ、矢車さん』
「ギャラリーなど関係ない」

 内緒話なら、本人に聞こえないように言ってくれ。というより、今どういう状況だと思ってるんだか。
 しかし周囲に気を留めることなく、矢車さんはザビーブレスを腕にはめた。

「俺に釣られてみる?」

 口の端を上げ、ワームに向かって、何か別番組キャラの台詞を口にする。
 「それ違う」とツッコミを入れようとした俺を、矢車さんは押し留めた。

「ギャラリーは引っ込んでいろと言っただろう」

 なんで、俺がギャラリー? 俺が本体のはずなのに。
 やって来たザビーザクターは、相変わらず俺なんか見てないし。もう、釣りでもマジックでも、勝手にやってくれ。



vol.3 ゴンと俺とカップラーメン


 ザビーに変身した「俺」は、サナギ体のワームにいきなりライダースティングを仕掛ける。

 容赦ないザビーの攻撃に、ワームは成虫に脱皮した。ZECTのホームページにあるマル秘ワームファイルで調べたところ、グリラスワームという奴らしい。
 さびれた僻地のスーパーに現れたにしては、これが結構強い。

 もともと狭い店の入口付近で戦ってるもんだから、吹っ飛ばされた勢いで、背後の特売カップラーメンの陳列が見事に破壊された。バラバラと頭上から降ってくるカップ麺。

 弁償しろと言われるかも、と俺は青くなった。不可抗力だ。代金は、ZECT宛てに請求してもらおう。

 『大売出し! 68円!! お一人様2コ限り』と書かれたポップが舞い落ちる。

 一度買おうと思ってた、新発売の明太子味。どさくさに紛れて1個もらっておこうか、と子供向けヒーロー番組にあるまじき事をチラッと考えた時。

「あれ、影山……さん!?」

 “さん” 付けするのが微妙に嫌そうなイントネーションで、少女の声がした。

『「ゴン!?」』

 矢車さんと俺が同時に叫ぶ。
 まだ小学生のその少女は、いちご牛乳をストローで吸いながら、不審者を見るような眼差しをこちらを向けている。
 いちご牛乳には、ちゃんと会計済みのテープが貼られていた。

「どいてろ、完全作戦の最中だ」

 策士の矢車さんは、あくまでもクールにゴンを手で突き放す。

『もっと優しくしてやってよ。相手は子供だよ』
「お前の方こそ、状況を分かってるのか」

 言ってるそばから、ワームの鉤状の触手が伸びてきた。咄嗟に避けると、身代わりに突き刺されたカップ麺のケースには大きな穴。

「ゴン! ドレイクは……風間大介は、一緒じゃないのか!?」

 切羽詰った矢車さんの声。応援を頼みたいのだろう。

「大介? 大介なら、化粧品売り場のとこで女の人くどいてるよ」

 少し頬を膨らませて言うゴンがかわいい。
 節操のない男だ、とねたみとひがみの入り混じった気持ちでモンモンとする俺の耳に、明らかに場違いな会話が聞こえてくる。

「ほら、こんなスーパーの化粧品ではあなたの美しさが損なわれてしまうでしょ」
「ほんとね、ありがとう。風間さん」

 背景に花が飛んでいるように見えるのは、俺の目の錯覚かもしれないが。相変わらず、俺には理解できないファッションセンスと雰囲気をまとって、その男・風間大介は現われた。
 内容から察するに、この場でメイクを施していたらしい。

 営業妨害だと訴えてやれよ、スーパー側。きっと、勝訴だ。俺が保証する。

 「何か騒がしいと思ったら……またあなたですか」

 やっとこちらに気づいた風間は、露骨に顔をしかめる。
 その騒がしい中、一応ライダーのひとりだというのに、女と悠長にウフフアハハとやっていた奴に言われたくはない。

「早くドレイクになれ! このワームは手ごわい」
「……気に入りませんね」

 どうやら命令口調の「俺」が、風間の気に障ったようだ。
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