ザビー・アディクト

ザビー・アディクト(2)

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 日下部が死んだ、という報告を受けたのは、その日からほんの三日後のこと。

 ZECTから納得のいく説明もないまま、必然的にザビーの資格者のお鉢が俺に回ってきた。
 とはいえ、最終選考をするのはザビーゼクターで。ゼクターに選ばれるためのテストとやらを受けるようにと、三島さんから通達があった。

 日下部も、そのテストを受けていたと記憶している。
 だが、それからすぐに日下部の様子がおかしくなったので、どんなものだったか内容を聞くことはできなかったが。


「矢車さん、ザビーになるってことはシャドウの隊長なんですよね。いよいよかぁ……おめでとうございます!」

 この時の影山は、本心からその言葉を言っていたのだろう。
 屈託なく賛辞をくれる影山に、俺も笑顔を返す。

「まだ早いな。最後に決めるのは、ザビーゼクターだそうだ」
「ゼクターが? どういうことですか?」

 不思議そうに問い返す影山に、俺もどう答えてよいか分からない。俺の方が聞きたいぐらいだから。

「さあ……な。マスクド・ライダーシステムは謎が多すぎる」

 少なくとも、開発者であるZECTの思い通りにはならないということは確かだ。
 ZECTが選んだカブトの資格者がワームに殺され、どこの誰とも知れない男がライダーベルトを持っていた。

「きっと大丈夫ですよ。俺、矢車さんが隊長になってくれるの、楽しみにしてます!」
「そうか。そんなに、俺にしごかれたいか」
「いえ! しごかれたいってワケじゃ……」

 わたわたと言い訳をする影山の頭を、俺は笑って小突いた。
 正直なところ、ザビーに興味はない。けれど、シャドウ隊長はザビーの資格者が務めることになっている。
 ZECTで上を目指すなら、ザビーになるしかない。

 ザビーには、数々の不穏な噂話がある。この部下は知っているのだろうかと、俺はちらと顔を窺った。
 すると俺の言いたいことを読んだように、影山が切り出した。

「まぁ、ほんと言うとちょっと怖いです。あの話は本当なのかなぁ……って」

 影山は知っている。ならば、隊員のほぼ全てが知っていると思って間違いなかろう。

「お前は、どう思う?」

 俺は自分の考えを先送りにして、影山に意見を求めた。

「俺は、それもありかなって思います」
「呪いが、か?」
「はい」

 互いに話す声が小さく低くなるのは、無意識に、だ。
 科学の時代に、しかもZECTが開発したゼクターに、そんなことが起ころうはずはない。頭では、誰もがそう考えていた。

 持ち主を次々と不幸に導く『呪いのダイア』というものが、実在するらしい。
 それと同じような現象が、ここZECTでも起きている。

 単なる偶然か、それとも、何かの意味があるのか。

 どちらにせよ、俺たちに示されたのは、ザビーに関わった何人目かの犠牲者として日下部が数えられた、という事実だけ。
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~ Comment ~

>かわむライダー様 

この話は、矢車さんの回想風「世にも奇妙な物語」小説もどきです(笑)。
コメント、ありがとうございましたm(__)m

どうも(・ω・)ノ 

なんですかコレ!?
小説?

面白いです(゜ω゜)ノ


サイトへのお越しお待ちしておりまぁすo(^o^)o
  • #53 かわむライダー 
  • URL 
  • 2007.05/16 13:05 
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