ダブル★アクション

新ダブル★アクション(5)

 ←新ダブル★アクション(4) →「仮面ライダーV3」
vol.7 日●ンの美子ちゃん


「天道!? なんでお前がここに……」

 予期しない訪問者に、ひどく驚いて加賀美が振り返る。加賀美の言い分はもっともだ。もっと言ってやれ。
 今俺たちがいるのは、ZECT本部の中。内部に易々と部外者が入れるはずがないのに。

「俺は、顔パスだ。それより、話の続きを聞いている」

 せっかく誤魔化せるかと思った話を、天の道を行く男はわざわざ元に戻す。
 仕方ない、と俺は腹をくくり、事情を説明することにした。

「実は……、変な人が俺に取り憑いて。なんかパラレルワールドから来たとか言って、時々性格壊れてるし。バッタのゼクターはいつの間にかザビーゼクターとデキてるし、三島さんは態度おかしいし、俺の昇格はうやむやになったというわけなんだ」

 しどろもどろではあるものの、嘘は言っていない。なのに、二人はうさんくさそうな目で俺を見る。
 天道にいたっては、明らかに侮蔑の表情を向けていた。

「もう少し、まともな嘘をついたらどうだ」
「あの、もう一回説明してもらえますか」

 それぞれ言い方は違うが、つまりは二人とも俺の言葉が信じられないということなんだろう。

『俺に代われ』

 見てられない、と、矢車さんは強引に俺の体を奪い取り。

「分かりやすく言ってやろう」

 途端に精悍になった声と表情で、「俺」は薄く笑う。
 あいにく、今日はカバンの中にマントを持ち合わせていなかった。それに気付き、矢車さんは舌打ちする。

 俺だって、そこまでバカじゃない。最近は身の回りの物はマメにチェックするよう心掛けている。マントなんて、かさばる物は、絶対却下。
 マントは諦めたのか、矢車さんは続けた。

「最近、三島さんの様子がおかしいことに気付いたか? あのグリラスワームの件以来だ」
「それと何の関係がある」

 天道は眉を顰める。

「叩けば色々と出てくるかもしれないぞ、ZECTは。緑色のライダーの事を知りたかったら、ZECTを探ってみたらどうだ?」

 口から出まかせもいいとこなのに、矢車さんは天道をも言いくるめてしまった。
 こういうのを、口八丁とか、舌先三寸と言うに違いない。

「巧みな話術、だ」

 矢車さんが、小声で反論する。
 それはいいとして、押し黙った天道と加賀美に背を向け、俺はこれ以上問い詰められないうちに立ち去ろうと試みた。

「お前は、ZECTには裏の顔がある……と言いたいのか」
「さぁ、な」

 天道に呼び止められギクリとしたけれど、「俺」はふっと笑い、その場を後にした。我ながらあまりにも似合わなすぎるリアクション。
 結局、よく分からない会話だったが、謎をふっかけてなんとなく格好がついた形になった。

『スゴイや。俺も話術、習ってみようかな』

 ぽつりと呟いた俺の言葉を、矢車さんは聞き逃さなかった。

「そうしろ。先生は超一流ぞろい。一日20分の練習でOKだ」

 どうやら、通信講座だったようだ。
関連記事



【新ダブル★アクション(4)】へ  【「仮面ライダーV3」】へ

~ Comment ~

>めぐみ様 

そうですね、策士の矢車さんは天道と会話したことなかったですね・・・。今さらのように気付きました(^^;
めぐみさん、さすが読みが深い。
策士バージョンで、天道と絡むと面白いかもしれませんねv
書き込み、ありがとうございました。楽しんでいただけるようがんばります(^^)

 

毎回、楽しく読ませていただいています。今日のお話で思い出したのですが、策士・矢車は天道と接触した事なかったんでしたね。3パターンの中でも案外、1番うまく天道とやっていける感じですが。「ダブル★アクション2」、続きが楽しみです。

管理者のみ表示。 | 非公開コメン卜投稿可能です。

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

  • 【新ダブル★アクション(4)】へ
  • 【「仮面ライダーV3」】へ