兄弟のつぶやき

てんごくへのかいだん

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弟のつぶやき


――俺は、夢を見てるんだろうか・・・。

加賀美たちが、“タダ” でカッコいいネックレスを配ってて。
当然、もらってやった。もちろん兄貴の分も。

“タダ” につられた俺がバカだったのか。
ネックレスを着けた俺の体は、だんだんワームに変わっていって。
兄貴は初めから何かを感じてたのかもしれない。俺がネックレスを渡しても、つけようとしなかったから。

危険が分かってたなら、俺にも教えてくれたっていいじゃないか、兄貴。
なんて、情けなくも泣き言を言いながら。
俺は兄貴に別れを告げて、完全にワームの姿になっていた。
兄貴は、そんな俺にライダーキックをかます。

場面が変わって、今度は1年後みたいだ。
加賀美は警察官になってる。
でも、俺は?
俺と兄貴がいない・・・。


「相棒、寝るな。こんなところで寝ると死ぬぞ」
兄貴に肩を揺すられて、俺ははっと眼を覚ました。
・・・なんだ、やっぱり夢だったんだ。

今夜はこの冬一番の寒波。
あんまりにも寒くて、俺は落ちていたマッチをすって少しでも暖を取ろうとしたんだっけ。

マッチをするたび、いろんな幻が見えて。
昔、俺が怪我で入院した時、兄貴が麻婆豆腐を作ってくれた事とか。今はもう懐かしすぎる思い出が走馬灯のように駆け巡って。
そのうち寝ちゃったんだ。

「俺、生きてるよね。兄貴!」
寝よだれを拭いながら、にへらと笑う俺をあきれたように見ながらも、兄貴は、
「ああ」
と言ってくれた。

それでいいよ。
兄貴の言葉があれば、俺には充分なんだ。
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