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ダブル★アクション

新ダブル★アクション(10)

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vol.12 真・ダブルアクション


 やっと矢車さんと入れ替わることができた俺は、一安心。
 久々に自分で戦うとシンドイ。こんなこと毎日やっている天道や加賀美には、まったく感心する。

「お前はいいよなぁ、風間……」
『矢車さん、前フリはいいからチャチャッと終わらせてよ』

 今日は俺的に充分働いた。日も落ちてきたし、一刻も早く帰って休もうと、矢車さんに催促する。
 なのに、「黙ってろ」と矢車さんは俺を抑えた。キックでドレイクの銃弾を弾きながら。
 カッコいいとはいえ、向こうは飛び道具だ。キックだけで応戦するのは、体力の消耗が激し過ぎる。

 ああ、もう体力の限界、と引退を表明したい気分。

「あの麗奈とかいう女は何者だ? お前は、あの女がワームだと知っていたのか」

 矢車さん=キックホッパーが、風間=ドレイクに問いながらも、二人の戦闘は続いていた。

「麗奈さんは……ウカワームが擬態した姿だ。彼女は自分がワームだと気付かなかった。あの男が現われるまでは……」
「あの男?」
『ウカワームって、あのカニ? お前もZECTのホームページで検索したのか?』
「影山……」

 低くかすれた声で呟く矢車さん。何かがプツンと切れる音がしたのは気のせいだろう、きっと。

「お前は、どちて坊やか、ハテナマンか。くだらない質問をはさむな」

 地獄から沸き上がるような矢車さんの重々しいオーラに、俺はぐっと声が詰まる。
 返事も返せない。「どちて坊や」 も「ハテナマン」 も、そんなキャラ、若い俺は知らないし。
 俺と矢車さんとの間に、深い溝が生まれたような気がした。

『な、何か気に障ったなら、ごめん。だから、俺を見捨てないでよ!』

 俺は慌てて矢車さんの機嫌を取る。とりあえず、今この状況で見捨てられたらまずい。
 独り言を言ってるようにしか見えない俺の姿に、風間は怪訝な顔をしている。

「お前は、『あの男』の知り合いか?」
 などど、訳の分からないことを言い始めた。

 いきなり話を本筋に戻されても、こっちはそれどころじゃない。
 だいたい、長年連れ添った夫婦じゃあるまいし、『あれ』だの『それ』だの『こそあど言葉』で言われても理解不能なんだよ。

「『黙ってろ!』」

 俺の心の声と矢車さんの声が一緒になり。気が付くと、キックホッパーはドレイクにトドメの一撃を食らわしていた。

「うわ~~~っ!!」

 と、誰かのいつかのシーンを彷彿とさせるような派手な飛び方をして、ドレイクはどこか遠くに蹴り飛ばされていった。

 俺と矢車さんの意識がシンクロすると、攻撃もパワーアップするらしい。
 これはすごい発見だ。これを応用してワームとの戦闘に活かせたら、ZECTの給料とボーナスも少しは上がるかもしれない。

「変なところで計算高いな、お前は」

 変身を解き、ホッパーゼクターを手放しながら、矢車さんが柔らかく笑う。
 機嫌も直ったのか、やさぐれた雰囲気は、今やパーフェクトなハーモニーを奏でていた。

「シンクロか。俺がもとの世界に戻るまでだが」
『……矢車さん、戻りたいの?』
「そりゃ。戻れればな」

 深い意味はなかったんだろうけど、矢車さんの言葉に俺は胸が痛む。
 いずれは、矢車さんは元の世界に帰ってしまう。ここには矢車さんの実体はなく、俺の体はあくまで仮住まい。

 俺なんて、しがない中間管理職で収入もそんなに高くない。おまけに、ワームとの戦いで、いつ死ぬか分からない。こんな男とは、早く離れたほうがいいのかもしれない。

 俺のことなんて忘れて、幸せになってくれ、というのは、よくドラマで耳にする台詞。

「影山。お前の中だから、俺はこうやって自由にしていられる。感謝してるんだぞ?」
『矢車さん……』

 暮れ行く往来でひとりメロドラマを繰り広げる俺は、いっこ●堂の腹話術以上に人々の目に奇妙に映ったに違いない。
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