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ザビー・アディクト

ザビー・アディクト(10)

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 ザビーを手にしたものは
 ザビーに魅入られ、破滅の道を辿る

 もしかしたら、それは本当に
 呪いだったのかもしれない





「……バカか、お前は」

 相棒の傷の手当てをしてやりながら、俺は毒づいた。
 ごめん兄貴、と相棒は気まずそうに謝罪する。

 ワームの総攻撃で人手が足りなくなったZECTは、俺と影山にザビーに復帰するよう求めてきた。
 田所さんにザビーゼクターを見せられた時、俺は心に苦いものを感じたが、相棒のほうは未練がましくゼクターを見つめていた。
 ちょっと出かけてくる、と俺と別行動を取る相棒の後を密かにつけてきたら、案の定、このザマだ。
 ザビーに変身した相棒は、ガタックとともに、カッシスワームにボロボロにされていた。

 なぜ、そこまでザビーにこだわるのか。

 相棒にとって、ザビーはZECTの権力の象徴であり、自分の存在を主張できる唯一の手段だというのは分かる。
 それにしても、何度も同じ過ちを繰り返すのは愚の骨頂。

「いい加減、諦めろ。フラれた女に、いつまでもすがりつく男みたいだぞ。みっともない」
「……ひどいや、兄貴」

 むくれながらも、相棒にいつもの元気はない。
 かつて同じ轍を踏んだ俺には、相棒の気持ちは理解できなくもなかった。
 ザビーには、人を惑わし、煽動する何かがあるのではないかと思う。

「もう一度、あの夢、見たかったんだ」

 相棒の消え入りそうな声を耳にし、俺は眉を寄せた。いまだ、こいつはザビーの幻影に取り憑かれている。

「甘えるな。お前には、ホッパーがあるだろ」

 相棒を突き放す言葉を投げた後、ホッパーゼクターを眼前に示す。今の俺たちの現実は、対になったこのゼクター。
 ザビーゼクターの化身とやらは、影山の前に二度と現われることはない。
 傍にいるのは、蜂の刻印を胸に持つ美女ではなく、地獄を這いまわる飛蝗だ。

「分かってるよ。今の俺には、兄貴がいるもんね」

 満面の笑みを見せる相棒から、俺はふいと視線をそらした。
 地に転がったままのザビーブレスに目を落とし、溜息をつく。ブレスがここにある限り、相棒の言葉は、たいして当てになるまい。

 『中毒』とは、そういうものだから――。


 END



※『響鬼』のラストのように、いきなり最終回で時系列が飛んでます(苦笑)。
もともと矢車さんの回想風にしたかったんですけど・・・。
ともあれ、お付き合いありがとうございました。
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