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ダブル★アクション

新ダブル★アクション(15)

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vol.18 幼女と美女の 風間 狭間で


 麗奈を見張り始めて、早5日。ホシは未だ姿を現さない。

 ZECTには、「市民の安全を守るため自主的に警らしてます」と言って外出してるけど、思いきりうさんくさい目で見られている。
 そろそろ限界かもしれない。この前、残業を断った時なんて、三島さん夜叉のような顔してたし。
 事情を話せば済むことなのに、矢車さんはダメだ、と言う。ZECTは信用できないから、と。

 今日は風間と会うことになっていたようで、麗奈は待ち合わせによく使われる、時計台の下で待つ。

「ごめん、待った?」
「ううん、全然」

 などど、聞いてるこちらはイラッとくるようなお決まりの会話を交わして、麗奈と風間のふたりは、雑踏の中に消えていこうとしたのだが、そうは問屋が卸さなかった。

「何してるの、影山……さん」

 相変わらず「さん」付けするのが嫌そうに、下の方から声が掛けられた。
 問屋のゴンが、マスクとサングラスをした俺の顔をじっと見上げている。

「……だ、誰のことだ。俺はただの変質者だ」
「変質者なのは知ってるけど」

 身もフタもないゴンの台詞が、グサリと俺の心に突き刺さる。ああ、俺は、そんな風に見られてたのか。

 ショックを隠しつつ、俺はマスクだけ取った。
 相手は子供。ここは大人の余裕で毅然とした態度を示さなければ。

「邪魔するなよ。俺が用があるのは、女の方なんだ」
「なら、声かければいいじゃない。……大介ー!」

『ちっ!』

 矢車さんが舌打ちするのが分かった。しょうがないじゃない、止める暇もなかったんだから。
 ゴンの声に風間が振り向き、途端に表情が険しくなる。

「また貴様か」

 その後に、“けがらわしい” とでも続きそうな雰囲気を漂わせているところを見ると、麗奈の尾行は、風間の依頼ではない。
 ということは、依頼主は誰だろう。 

『依頼主なんていない。事を荒立てるなよ』

 矢車さんの警告が、頭の中で聞こえる。

 ゴンと俺を交互に見やって、麗奈に何か言おうとする風間。
 余計な修飾語をあれこれ付けて語られる前に、俺はサングラスをはずし、とっておきの善い人スマイルで自ら名乗った。

「この間、お会いしましたね。俺は影山瞬。風間の友人です」

 『友人』の部分を殊更強調すると、風間の眉が引きつった。
 ゴンといい、風間といい、失礼にも程がある。
 麗奈の方は、俺を覚えてないのか、あるいは俺の営業用スマイルにほだされたのか、にっこりと笑顔を返してくれた。

「間宮麗奈です、よろしく」

 こうして見ると、ストレートヘアのつつましい美人だと思う。
 麗奈とにこやかに社交辞令的な話をしながらも、俺はさっきから神妙な矢車さんが、少し心配になっていた。
 俺たちを面白くなさそうに見る風間。そんな風間を、これまた不機嫌そうに見つめるゴン。
 それぞれの想いは、複雑だった。

「とにかくゴン、お前は帰れ。遅くなると、お母さんが心配するぞ」

 そう告げる風間は至極正論なんだが、お邪魔虫を追い返したいという気持ちが見え見えで。ゴンも負けてはいない。

「知らないの? 今時の小学生は習い事で忙しいから、帰るの遅いんだよ」
「そろばんや習字か?」

 俺の名誉のために言っておくと、今の台詞は俺じゃない。矢車さんに一時的に俺の体を乗っ取られただけ。

「習い事はいいわね。私も子供の頃は、蹴まりや薙刀を習ってたわ」

 麗奈が楽しそうにゴンに話しかける。一体、いつの時代の人だろう。
 時代の波に微妙にズレたこの人たちはさておき、俺はゴンの目線に合わせてしゃがみこんだ。

「これからは大人の時間だから。18歳未満はお断りだってさ」
「お前! ゴンに何てことを!」

 体裁よく帰そうとしてやったのに、風間が突っかかってくる。真っ赤になって怒ってるところを見ると、やましいことでも考えていたんだろうか。

「なんだよ。本当のことだろ?」

 日も落ちてきたこの時間、まさかマッ●やファミレスへ行くわけでもあるまいし。

『お前の言い方は、直接的過ぎるんだ』

 矢車さんの言葉と同時に、また体を乗っ取られていた。
 そうして、「俺」がゴンの耳元で、小さく何かを告げた。するとゴンは素直に納得し、「またね大介」と言い置いて帰っていく。恐るべし、策士矢車。
 すかさず、俺は再び矢車さんと入れ替わる。

「邪魔して悪かったな。俺たちも、行くから。あとは勝手にやってくれ」
「……俺たち?」

 爽やかに立ち去ろうとする俺に、風間が怪訝な顔を向けた。よくよく考えれば、二人称で言うのはなにげに不自然だ。

 追及される前にそそくさと風間たちから離れ、見えないところで、さっと物陰に隠れて様子を伺った。
 それから、連れ添って歩き出す風間たちから距離を置き、後をこっそりとついて行く。

「……ほんとにやるの、矢車さん?」
『ああ、ゴンと約束しただろ』

 幼女との約束なんて、常日頃ならいかにも反古にしそうな策士矢車さんなのに。約束にかこつけて、自分の目的を果たそうということらしい。
 どうか始末書を書くような事態にはなりませんように、と俺は紙、もとい神に祈った。
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