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楽園依存症候群

楽園依存症候群(1)

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 禁断の果実を口にした男と女は、神の罰を受けた
 だから、人間はもう二度と、楽園には戻れない





「ね、ね。ワームってね、こわかった?」
「うーん、そうだなぁ。ちょっとは怖かったかな」
「バカ言え。俺は全然怖くなんかなかったさ」

 初夏の日差しの中、珍しい取り合わせだ、と思いながら、矢車はその光景を眺めた。

 いつものように医療施設に出掛けた影山の帰りが遅いので探しに来てみれば、探し人は公園で子供たちと油を売っていた。
 しかも、勤務中らしい制服姿の加賀美までいる。
 なんだかんだと言い合いをしつつ、影山は楽しそうだ。
 色々あったものの、すべてが終わった今、加賀美は影山にとって数少ない同年代の友人と呼べるのかもしれない。

「俺の兄貴はスゴイんだ! ワームだってなんだって、簡単にやっつけちゃうんだぜ」

 影山の言葉に、子供たちはきらきら輝く目を向けた。加賀美は少し苦笑していたが。

(子供相手に何を自慢しているんだ、あいつは)

 妙な方向に話が行くのは困る。
 溜息をつくと、矢車は唐突に場に割り込んだ。

「……何やってる。行くぞ、相棒」
「あ、兄貴」

 なぜ矢車がここにいるのか。一瞬きょとんとした影山だったが、公園の時計台の時刻を見て納得する。
 思ったより、時間を食ってしまった。

「ヤバ! 俺も行かなきゃ」

 巡回中なんで、と言いながら、加賀美は矢車に頭を下げて挨拶する。
 加賀美の、矢車に対する低姿勢は相も変わらず。元上司というより、年上の者に対する礼儀と考えているらしい。
 こんなところは、自分の周りでは一番分別のある男だ、と矢車は思う。

「またな。矢車さんも、じゃ、また」

 初めの「また」は、影山と子供たちに向けたものだろう。

「ああ、“また” な」

 そんな風に返す矢車も、やはり以前と少し変わった。
 立ち去る加賀美の後姿をしばらく見送り、矢車は叱るように相棒の背を押す。

「お前、まっすぐ帰れって言っただろ」
「ごめん兄貴。でもこの子、迷子になっててさ」

 子供たちのひとり、一番背の低い少年の頭に影山は手を置いた。

「医療所の近くで見つけて、そしたら加賀美に会って。一緒に、この公園まで連れて来たんだ」

 その後、この子の友達らに捕まってしまった、というところだろうか。
 影山と加賀美なら、あり得る。二人とも子供っぽい部分で共通しているから。

 影山にぴったり寄り添った子供が、不安げな眼差しを矢車に向ける。子供の前で強く言うこともできず、矢車は肩を竦めた。

「薬は? ちゃんともらってきたか?」
「うん。それは大丈夫」

 影山は、ロングコートのポケットをポンと叩いて見せた。
 子供たちにも帰るように告げ、「気をつけてな」と影山は手を振る。
 その様子に、矢車は目を細めた。

 ワーム化を抑えるための定期的な治療は、まだ必要だった。
 けれど戦うべき敵もいなくなり、時間はゆっくり穏やかに流れていく。



※以前いただいたリクエストから、「陽の天道・加賀美、陰の矢車・影山」のコンセプトで・・・リクありがとうございました。
イメージは、某地獄兄弟MADです(^^;
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