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ダブル★アクション

新ダブル★アクション(21)

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vol.24 クライマックス・ジャンプ


「三島さん。もう諦めて、法の裁きを受けてください」

 沈痛な面持ちで宣告する加賀美の背後には、田所さん以下、ゼクトルーパーたちの姿があった。
 いつの間にか、首尾よく包囲されている。

「お前には黙秘権がある。供述は、法廷でお前に不利な証拠として用いられる事がある。お前は弁護士の立会いを求める権利がある……」
 
 天道が淡々と権利を通告するけど、ここは日本だ。
 この状況下で、さすがの三島さんも憎々しげに表情を歪める。

「私をなめるなぁ!!」

 珍しく大声を張り上げた三島さんは、トルーパーたちがどよめく中、異形の姿に変わった。
 見覚えのあるワームだ。グリとグラ……じゃなくて、グラリス……グリラス……どっちだったっけ。

「あとは、お前の番だ。しっかりやれよ」
『えっ?』

 いきなり体の支配権を放棄し、矢車さんは俺の意識の奥に引っ込んでしまった。

「ちょ、ちょっと、待ってよ!」
『ラストバトルだ。花を持たせてやる』

 言われて、俺ははた、と気づく。
 絶対優勢のこの状況。いいところを見せるチャンスかもしれない。苦節●年。これで、ようやく俺も出世街道に。

 天道と加賀美は、既にカブトとガタックに変身している。俺も負けじと、ザビーブレスを腕に付けた。
 飛んでくるザビーゼクターを素早く装着し、久々に燃えるシチュエーション。

 さあ、やるぞ! と気合を入れたら、
「トリプルライダーキックで決めるぞ」と、カブトが余計な一言を。

 いつぞやのトリプルキックは、確かにカッコよかった。
 でも、俺は今、ザビーであって。俺の決め技、キックじゃないんだよ。

「使えん奴だ」

 俺の言葉に、カブトはぼそりと呟いた。

「大丈夫です。俺とカブトでケリをつけますから」

 ガタックの悪気のないフォローが、さらに俺に追い討ちをかける。つまり、俺は何もするな、と。

『……不協和音だったな』

 苦々しげな矢車さんの声が響く。
 カブトとガタックが華麗にライダーキックを決めるのを、俺はぽつねんと、ただ見ているだけだった。



vol.25 田所さんからの伝言


 トリプル、ではなく、ダブルライダーキックを食らった三島さんは、一命を取りとめ、後は法の裁決に委ねる結果となった。
 天道も加賀美も手加減をしたのだろう。俺が加わっていれば、とどめを刺す気満々だったのに。

「助かったとは言えないな。軍事裁判にかけられて、まず極刑だ」
「そんな……」

 天道の台詞に、加賀美は悲痛な顔を向ける。再度言うが、ここは日本。軍事裁判はない。

 俺たちが一同に会してそんなやり取りをしていたところに、岬さんが「大変よ!」と言いながら飛び込んできた。
 その手に抱えられた書類を見て、また仕事を押し付けられるのかと、逃げ腰の俺。

「これを見て」

 彼女が広げた書類は、田所さんからの手紙だった。

 まず目に飛び込んできたのが、『しばらく旅に出ます。探さないでください』という見出し文字。レポート用紙にざっと10枚。几帳面な字で、ぎっしり書き連ねてある。
 残念ながら、この長文を読む気力は俺には残っていなかった。

「で、なんて書いてあったんです?」

 うまいこと聞いてくれた加賀美に、心の中で感謝する。
 岬さんは、レポ紙に書かれた内容を要約してくれた。

 田所さんは、人間をワームに変えるZECTの陰謀を知っていたらしい。計画の首謀者は、三島さん(ここ、赤ペンで下線が引いてある)。
 三島さんは自らワームになり、ZECTの一部を牛耳っていた。
 エリアXで秘密裡に計画が進められていたが、それを当時ZECTのエリートだった矢車さんに知られてしまい。問い詰められた三島さんは、口封じのために矢車さんを手にかけた――とのこと。

「矢車……?」

 初めて聞く名前に、加賀美が首をかしげる。

「あなたは知らないかもね。彼は将来を有望視されたZECT隊員だったのよ。でも2年前、突然失踪してしまって……」

 岬さんの説明に、俺は溜息をついた。天道や加賀美にしてみれば、矢車さんは「見知らぬ人」で済む。
 でも俺にとっては、文字通り、他人じゃない。

 田所さんの置き手紙を、矢車さんはどう受け止めたんだろう。

『心配してくれてるのか?』
「べ、別に、そういうわけじゃ……」

 不意打ちで、そう尋ねられたもんだから。どもって否定する俺に、説得力はない。くっくっと笑う矢車さんに、それでも俺はほっと安心した。

「田所さん、きっと罪の意識を感じて……」

 うつむいて、手紙をギュッと握り締める加賀美。その加賀美の肩に、天道がぽんと手を置く。

「そのうち戻ってくるさ。信じて待っててやれ」
「天道……」

 美しい友情シーンが繰り広げられている横で、俺は、「三島さんと田所さんが抜けたZECTで、上層部に大抜擢のチャンス!」などと思っていたとは、口が裂けても言えない。
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