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完全調和な不協和音

完全調和な不協和音(5)

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vol.5 変ロ長調の誘い


 田所さんがくれたチケットのコンサート日程は、今週末だった。
 何人かの友人に声を掛けてみたが、既に先約があったり、都合がつかないとのこと。木曜日の今日、誘いを掛けても急過ぎるだろう。

 それなら、ひとりで行けばいい。そう考えていたところ、途中の廊下で、俺はあの新入り隊員にばったり出くわした。
 運がいいのか悪いのか、チケットを手に持った状態で。

「あれ、矢車さん。それ、何ですか?」

 お約束のように、影山は目ざとくチケットを指差してくる。

「ああ、これは……」

 隠すことでもないので事情を話すと、影山は目をきらめかせて俺を見た。まるで、何か訴えるかのように。
 もしかしたらコンサートに行きたいのだろうか、とも思ったが、影山とクラシックはイメージ的にミスマッチすぎる。
 俺はただ、影山が口を開くのを待っていた。

 そんな風に向かい合って立つ俺たちの横を、ZECT隊員たちが、不躾にじろじろ見ながら通り過ぎていく。

 その視線が気になりつつ、ふと横の壁に目をやると。
 ちょうどそこには、『廊下で立ち止まるな』 『廊下で見せつけるな』 『イチャつくな』 『キスをするな』 『彼氏・彼女に携帯をかけるな』などと書かれた張り紙があった。

 以前よりパワーアップした書き文字に、俺は唖然とした。
 廊下で何か、嫌なことでもあったのだろうか、あの人は。

 この張り紙すべてを集めれば、田所さんに何があったのか、そこはかとなく知れそうだが、俺もそこまで暇ではない。
 当面の問題は、このチケットなわけだが。

「影山、よかったら、これをやろう」

 埒があきそうにないため、俺から切り出してみた。

「えっ、い、いいんですか? ありがとうございます!」

 嬉しそうにチケットを受け取る部下の姿に、俺も心が和む。

「任せてください、絶対落札されますから! 3000円から開始ってことでいいですか?」
「……は?」

 待ち合わせの段取りを決めようと思っていた俺は、呆気にとられた。
 どうやら影山は、ヤフ●クに出品するつもりだったらしい。今週末のコンサートチケットなんて、今からじゃ、間に合うわけないだろうに。

「バカ。一緒に行こうと誘ってるんだ」
「あ、そうですね。今からじゃ、間に合わないや」

 ようやく気付いたらしい影山に、俺は一瞬目眩を覚えた。

「じゃ、当日1万円で。会場の前で販売しましょう!」
「……ダフ屋行為は、やめろ。迷惑防止条例に引っかかる」

 いまだ転売を目論んでいる様子の部下ではあったが、ともあれ、これでチケットは無駄にならずに済んだようだ。
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~ Comment ~

>磯野瞳様 

影ちゃんがアホの子になってしまい、申し訳ないです(^^;
なんか学園もののノリになってきました。
ハッ、もしや、学パロ書きたいのか、ワタシ(苦笑)!?

田所さんの出番が多いのは、矢車隊長のギャグが難しいため、田所さんに救いを求めてるからかも~(笑)。
いつも楽しいコメント、ありがとうございますv

 

影たん!!(o≧∇≦)o
そっちだったのですね!当然矢車さんとのデートに飛び付くと思いきや、ヤラレマシタw
さすがマーリン様ですww
廊下で立ち止まりみせつけている二人が目に浮かぶようですー(;´д`)
素敵。
田所さんが大好きになってきました(笑)
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