兄弟のつぶやき

バレンタイン

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兄のつぶやき


「兄貴、今日なんの日か知ってる?」
相棒が妙な猫なで声で聞いてきた。

「バレンタインだろ・・・」
うんざりといった調子で俺は答える。

コンビニやスーパーにもバレンタインコーナーなんてものが作られていれば、嫌でも目に留まる。
しかし所詮、俺たち地獄の住人には関係ないことだ。

「うん、チョコをもらう日だよね」
相棒はさらに妙な声で言った。だから、なんだと言うんだ。

この俺を差し置いて女からチョコをもらったとかいう話なら、蹴りの一、二発で勘弁してやろう。
チョコレートは高カロリーだ。
それがあれば、一食分くらいは浮くだろう。

「あ、俺は誰からももらってないからねっ」
相棒が必死に否定する。
チョコを今日の夕食にする計画は流れたか・・・。

「でさ、好きな男の子にチョコあげる日、なわけだよね」
回りくどい奴だ。
一体、何が言いたいのか。

上目使いで俺を見る相棒に、俺は見当をつけた。

言っておくが、俺はお前からチョコを受け取るつもりはない。
欧米では男も女も関係なくプレゼントを贈る日だそうだが、あいにくここは日本だ。
いくら兄弟とはいえ、男からチョコをもらっても嬉しくはない。

「だからさっ、兄貴は俺にチョコくれないの?」

満面の笑みで問う相棒に、俺は通常の3~4倍増しであろう必殺のライダーキックを見舞ってやった。

バレンタインなど・・・。
やはり、俺たちには関係のないことだ。
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