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悪魔は夜歩く

悪魔は夜歩く(14)

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影山の夜 第20夜


 昨夜、兄貴が帰った少し後、やたら外で鳥の羽音がするなと思っていたら、今朝ゴミ置き場のゴミがめちゃくちゃに散らばっていた。
 きっと、ゴルゴムの、もとい、カラスの仕業だ。

 ゴミの日は月・木と兄貴に聞いてたから、ゴミを出したのは断じて俺じゃない。
 なのに、マンションの隣の部屋の男が、出勤しようとした俺を呼び止めて片付けを手伝え、と言う。

「なんで、俺がっ。それに今から俺、仕事なんだよ」

 歳は二十代前半くらいの男。妙に偉そうな態度で指図するので、俺もついムッとなる。

「お前の部屋から出て行ったカラスがやったことだ。お前が責任を取るのが、筋だろう」

 男は、そう言って天を指さした。

(俺の部屋から出て行った?)

 男の言葉に、俺は首をかしげる。
 マンションでペットは禁止と兄貴は言ってたし、カラスなんて飼ったことも飼う予定もない。

「おばあちゃんが言っていた。男なら責任を取れ、認知しろ、と」
「分かった、すまない」

 反射的に謝ってしまい、ゴミを片付け始めた俺。
 よくよく考えれば、そんなことをする義理はないんだけど、『責任』だの『認知』だの言われると、なぜか男の立場は弱くなってしまう。
 おかまバーのジュネさんが見せてくれた女性週刊誌に、そう書いてあったのを、俺は「なるほど」と思い出していた。

「お前、ZECTの新入りか?」
「うん」

 男に聞かれ、ゴミを分別しながら頷いて見せる。
 どうして男がZECTのことを知っているのかと思う前に、発砲スチロールのトレイって不燃ゴミじゃなくて資源ゴミだったろうか、と悩んだ。

「なら、お前もヴァンパイアハンターというわけだ」
「え?」

 缶・ビンも不燃ゴミ扱いで出すのってありかよ、と眉を寄せつつ、男の言葉にびくりとした。

「空き缶は、不燃じゃないな。ついでに言うと、アルミ缶も違う」

 手が止まってしまった俺に、男はそう教えてくれた。

「あ、やっぱり」

 俺は胸のつかえが取れた気分で、いそいそと缶類を別の場所に移す。
 待てよ、他の話をしていたような気もするけど。

「……何の話、してたんだっけ?」

 自分じゃどうしても思い出せないので、仕方なく男に聞いてみた。男は呆れた表情をし、それからふっと笑った。

「ゴミの分別の仕方だ」

 再びゴミの出し方についてのレクチャーを受け、その合間に兄貴にもらった腕時計に目を落とす。もはや遅刻は確実。
 兄貴にどう言い訳しようか、それだけが俺の頭の中を支配し、他のことを考える余裕はなかった。
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