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悪魔は夜歩く

悪魔は夜歩く(24)

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影山の夜 第34夜


 勢い込んで翼を広げたものの、太陽の直射日光が眩しくて暑くて。やっぱり、月が出ていない時に飛ぶのは、体力の消耗が激し過ぎる。
 人に見られないように着地し、俺は路地裏で体を休めた。

 早くミシマさんがいる城に行かなきゃいけないけど、徒歩だと、どのくらいかかるだろう。

 ヴァンパイアの城は、バス・地下鉄は通っていないため、通勤には車をご利用ください、という本当に不便な場所にある。
 バブル崩壊で土地価格が暴落した時に、きっと後先考えず購入したに違いない。

 途方に暮れて、裏通りに座り込んだ俺を見つけてくれたのは、まだ女装していない、おかまバーのママだった。

「アラ、瞬ちゃん。どうしたの、こんなトコで」
「あ、サブさん!」

 言葉使いは同じでも、入店前なので男名の方で呼ぶ。

 まだ開店の時間には早いのに、サブさんは俺を準備中の店内に招き入れてくれた。出してもらった甘いミルクを口にしたおかげで、少し疲れが取れた気分。
 だけど、本当は、こんな時はライフエナジーが一番効く。

「サブさん、ミシマさんとは最近どう?」

 俺が尋ねると、からっとした性格のママは肩をすくめて苦笑した。

「速攻で、フラレちゃったワ」
「そっか、残念だね」

 ママの返答を聞いて、俺は本心では「よかったね」と伝えたかった。
 ミシマさんと縁が切れたことがどれだけ幸運かは、多分、後になって実感できる。

「瞬ちゃんの方は、大丈夫?」

 失恋の痛手に耐え、俺を気にかけてくれるサブさんは優しい。

 雨にも負けず、風にも負けず。そういうものに、俺もなりたい。
 でも、一日に玄米と味噌と少しの野菜だけじゃ、俺には到底無理。

「俺、これからミシマさんのところに行かないと」

 ミルクを一気飲みして椅子から立ち上がる。
 
「マァ、キャッスルまで歩いて行ったら、夜になっちゃうワよ」
「え。なんで知ってるのっ?」

 城の所在地を知っているらしいサブさんに、俺は焦りまくって詰め寄った。

「前に、三島ちゃんに教えてもらったのヨ。不便すぎて苦情が出たとかで、今は直行のシャトルバスがあるじゃない」
「キャッスルまで?」
「エエ、最寄り駅から40分ごとに」

 いつの間に、そんなテーマパークか大型ショッピングモール並みの交通環境が整ったのか。
 ともあれ、俺は次の発車時刻を聞き、サブさんにお礼を言ってバーを後にした。
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