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悪魔は夜歩く

悪魔は夜歩く(25)

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矢車の夜 第35夜


「お、なんだ、渋谷駅に行くとは。ヒッチハイクか」
「まさか、きっとハチ公前で待ち合わせですよ」
「なるほど。隅に置けんな、あいつも」

 GPS探知機を囲んで、後部座席のオブザーバーたちがうるさい。
 車を運転中の俺に代わり、影山の位置確認をしてくれるのはいいとして、余計な憶測はせず、事実だけを伝えて欲しい。

(電車を使う気か)

 信号待ちで停車中、俺はハンドルに腕を乗せて考える。環境に優しい、アイドリングストップで。

「俺が運転してもいいぞ、矢車」
「遠慮する」

 助手席に座る天道の申し出を、俺はあっさり断った。
 正直なところ、車を出す前は、平衡感覚はおかしく、指も小刻みに震えていたのに、だんだんと勘が戻ってきたというか、気分が乗ってきた。

「車に乗ったようだな。妙な場所に連れて行かれるかもしれん」
「バスじゃないですか」

 微妙なズレはあるものの、田所さんと会話を続けられる加賀美に、俺は敬意を表したい。

「高速に乗った、飛ばすぞ!」

 ぐいとアクセルを踏み込んで、俺は加速を味わった。何という快感だろう。
 スピード感に恍惚としている俺を訝しげに見ながら、田所さんが後ろから身を乗り出す。

「矢車が変になるのは、ライフエナジーの副作用らしいな」

 ボソボソと天道に話しかける声が、俺には丸聞こえ。

「田所さん、トルーパーたちとZECT指令車で来てくれてもよかったんですよ?」

 暗に、俺の車に同乗してくれるな、という皮肉を込める。

「道中は、大勢の方が楽しいだろう」
「楽しむ必要はありません。城は、『バイオハザード』並みに危険な場所です」

『悪魔城ドラキュラ』と同じようなものか、と加賀美に尋ねる田所さんは、本当に分かっているか不明だ。

「勝算はあるのか」

 ハイウェイを爽快に飛ばす俺に、天道が水を差す。

「もちろん……」

 後ろで露骨にホッとする田所さんと加賀美の様子を見つつ、

「あるわけない」

 と、俺は陽気に続けた。

「えっ、作戦もなし、ですか!?」
「何が起こるか分からないから、人生楽しいんだろ」

 慌てる加賀美にそう諭し、笑って見せる。心配しようと悩もうと、世の中、なるようにしかならない。

「……やっぱり、かなり変ですね、矢車さん」
「爽やか過ぎる」
「これが素なんじゃないか」

 まったくもって、オブザーバーたちがうるさかった。
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