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悪魔は夜歩く

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影山の夜 第38夜


 ミシマさんからライフエナジーのサプリをもらって飲んだ俺は、まさに天にも昇る気持ちだった。
 こんな素敵なものを、なんで今まで我慢してたんだろう。

「影山、お前ライフエナジーを……」
「うん。やっぱり、これ最高だよ」

 辛そうに顔を歪ませた兄貴に、俺はにこりと笑い掛ける。

「我が城へ、よくぞ来たな」

 エコーが掛かった低音ボイスを前フリに、闇から浮き出るようにして、ミシマさんがすっと俺の前に立った。無駄にかっこいい演出なのは、さすがテーマパーク跡地だ。

「お前までいるとはな、天道。今宵は、フルコースと洒落込むか」
「おばあちゃんが言っていた。過食は身を滅ぼす、と」

 ミシマさんと天道は、そんな風にして互いに旧交を温めている。

「なぜライフエナジーを飲んだ、影山? 約束したはずだ」
「人間は襲ってないよ。サプリだもん」

 兄貴に問い詰められ、「ですよね」と同意を求めた俺に、ミシマさんの方はいつも通りの仏頂面。

「たとえサプリだって、ライフエナジーは人間の命ですよ!」
「ほざくな。人間も生き物の命を奪って食糧としているだろう。それと、どう違う」

 熱い加賀美の発言で、城の中の気温が少し上昇した感じがしたけど、ミシマさんの言葉で、絶対零度に逆戻り。

「ごめんね。みんなは、今日のディナーになるんだってさ」

 俺はちょっとばかり申し訳なく思いつつ、はっきり告げる。所詮、食欲には勝てない。

 少しの間ZECTで同僚だった皆の背後から、今の同僚、ではなく同類が姿を見せた。
 遠方からも、俺と同じく直行バスに乗って、今夜のパーティーのためにヴァンパイアがはるばる集まってきていた。

「兄貴と田所さんは、仲間だからね。ライフエナジーは奪わない。でも邪魔するなら、殺すよ?」

 魔物のライフエナジーも飲めるとはいえ、正直、味はかなり不味い。せっかく美味しいディナーがあるんだから、美味しい方がいいに決まってる。

「1分13秒やろう。最期の祈りを捧げるがいい」

 ミシマさんが、傍に控えたストップウォッチ係のヴァンパイアに指示を出す。
 いきなり祈りって何、とか、なんで秒数がそんなに半端、とか、誰もあえて尋ねようとしなかった。

「待て、俺も人間だ! こいつらを裏切るつもりはない!」

 5秒も経たないうちに、田所さんが自分の胸を拳でどんと叩いて声を張り上げた。

 なんだ、と俺は肩を竦める。本人はフランケンだと言ってたし、普通の人間らしくなかったが、まあどっちでも構わない。
 カチカチ、とストップウォッチが時を刻み、きっちり73秒後。

「兄貴は、どうする?」

 鋭いその視線を真っ向から受け止め、俺は兄貴に返事を迫った。
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