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リジェクション・エンド

 ←やっぱりラストに登場 →もうひとつのホッパーズ
※こちらは、『仮面ライダー THE NEXT』の二次創作短編です。
映画のその後の勝手な妄想なので、ご注意ください。




(……悪くない、人生だったな)

 行きつけのクラブでドンペリのゴールドを一ダース振舞った最後の豪遊を思い出しながら、一文字は静かに目を閉じた。

 ショッカーに戻れば、生き延びる術はある。それでも、空っぽの操り人形として生きるより、人間として死んでいく方がましだ。
 予定より短かった一生ではあるけれど、悔いはない。

 ただひとつ、心残りがあるとすれば。

(あのバカは、ひとりで戦うのか)

 唯一の友人である男の顔を思い出し、一文字は皮肉めいて口角を上げた。

 裏切り者は決して許されない。ショッカーは、本郷の首を取るまで刺客を送り続ける。
 二人と同じく、組織に反旗を翻した風見志郎。あの男もまた、これから命を狙われるに違いない。

(俺も、相当バカだ)

 死の淵にある自分が、他人の心配をするなんて馬鹿げている。
 次第に薄れていく意識を感じ、一文字は溜息を吐いた。ようやく、リジェクションの苦しみから解放される時が来たようだ。

(先に、行ってる……)

 心の中でそう呟き、感覚を手放そうとした一文字の頬に、ふいに予期しない痛みが走った。痛みと呼べるほど強いものではなかったが、目を覚まさせるには充分だった。

「しっかりしろ、一文字!」
「本……郷……」

 いつの間に来たのか、先程考えていた戦友の姿がそこにあった。
 両の頬を叩かれては仕方なく、一文字は重い瞼を持ち上げる。

「待ってろ。簡易輸血するから。おやっさんに機材を調達してもらったんだ」
「輸血……?」

 手にしたバックパックから注射器と輸血パックを取り出すと、本郷は手早くセットを始めた。

「簡単に言うな。俺の血は……」
「簡単さ。俺の血をお前に、お前の血を俺がもらえばいい」
「バカか! そんなことすれば、おま……っ」

 つい激昂してしまい、言い終える前に吐血する。

「グッ、ゴホッ……!」
「病人は大人しくしてろ」

 その背をさすってやりながら、本郷は自らの腕に注射針を刺した。

「俺の体は、リジェクションが起きない。つまり、何らかの免疫機能が生きてるんだと思う。お前の血と入れ替えても、多分俺は大丈夫だよ」
「多分、か。成功する確率は……?」
「90パーセントかな」

 再び目を閉じた一文字は、自分の腕にも何かが刺さったのをぼんやりと感じた。
 人間ではない自分たちは、特殊な血を持つ。本郷とは、同じショッカーに改造された、いわば兄弟の改造人間。
 しかし血液型の不適合はなくとも、リジェクションを起こしている一文字の血液は、本郷の体にどんな作用を及ぼすか知れない。

(ヘタな嘘、つきやがって)

 おそらく、成功する可能性は半々。最悪の場合、本郷も命を落とすことになる。

「死なせないよ、お前は」

 闇に沈んでいく一文字の意識の奥底に、本郷の声が聞こえた。

「絶対に、死なせない」

 生きていれば、修羅の道が待っている。否が応でも戦いに巻き込まれていく地獄。
 どちらにせよ自分に選択の余地はない、と一文字は苦笑した。

 もしここで生きながらえたなら、きっとまだ自分には、やるべき事が残っているのだ。同じさだめを背負う、ただ一人の友と。
 それもまた、悪くはないだろう。


 END
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~ Comment ~

>熊猫GK様 

こちらも読んでくださって、ありがとうございますm(__)m
正直、公開するのは勇気が要りました(苦笑)。

そうですね。
私も、地獄兄弟の魅力ってやっぱりあの強い絆にあるような気がします。
同じ境遇を味わったからこその絆で、ある意味、傷の舐め合いかもしれないけど。
それでも今この殺伐とした世の中で、だから余計に2人のこんな深いつながりに憧れるんじゃないかな、なんて(^^;

ともあれ、明日の放映を楽しみしてま~す♪
コメントありがとうございましたv
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